感染拡大するイタリア北部 国境閉鎖は見送りも警戒強まる

感染拡大するイタリア北部 国境閉鎖は見送りも警戒強まる
イタリア北部を中心に新型コロナウイルスの感染が広がっていることを受けて、イタリアと周辺国の保健相が緊急の会議を開き、国境を閉鎖しないことで合意しました。ただ、ヨーロッパ各地でイタリア北部に滞在していた人の感染が確認されていて、警戒が強まっています。
イタリアでは北部のロンバルディア州で今月21日から新型コロナウイルスの感染が相次いで明らかになり、イタリア全土で322人の感染が確認されて、このうち10人が死亡し、北部の11の自治体が事実上、封鎖される事態となっています。

イタリア政府は25日、フランスやオーストリアなど周辺国の保健相を首都ローマに招いて緊急の会議を開きました。

会議のあとの記者会見でイタリアのスペランツァ保健相は「国境の閉鎖は適切ではなく、間違った対策だと、イタリアと接するすべての国が約束した」と述べ、国境を閉鎖しないことで合意したことを明らかにしました。そのうえで、感染に関わる情報の交換などで連携を深めることで一致したとしています。

ただ、ヨーロッパ各地では25日、フランスやスイス、クロアチアなどで、イタリア北部のロンバルディア州に滞在していた人から相次いで感染が確認されています。

また、スペインのカナリア諸島では、ロンバルディア州から訪れたイタリア人の夫婦が検査で陽性となりました。地元当局は、夫婦と同じホテルに滞在するおよそ1000人の宿泊者やスタッフを外出禁止にするなど警戒が強まっています。

フランス 渡航見合わせ呼びかけ

フランス外務省は25日、新型コロナウイルスの感染が広がっているイタリア北部のロンバルディア州とベネト州について、状況が改善するまで不要不急の渡航を見合わせるよう呼びかけました。また、イタリアへの修学旅行も当面の間、延期するよう勧告しています。