NY株価 1000ドル超の記録的下落 東京市場も大幅値下がりか

NY株価 1000ドル超の記録的下落 東京市場も大幅値下がりか
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24日のニューヨーク株式市場は、新型コロナウイルスの感染拡大で世界経済への影響が深刻になるとの見方が強まり、ダウ平均株価は先週末に比べて1000ドル以上安い、記録的な値下がりとなりました。このあと取り引きが始まる東京市場も大幅な値下がりは避けられないと見られています。
週明け24日のニューヨーク株式市場のダウ平均株価の終値は、先週末に比べて1031ドル61セント安い2万7960ドル80セントでした。

値下がり率は3.5%、値下がり幅はおととし2月以来、過去3番目の大きさとなりました。

この日のニューヨーク市場は、韓国やイタリアでの感染拡大で大幅な値下がりを記録した、アジアやヨーロッパ市場の流れを受けて大きく下落して始まり、取り引き終了にかけて値下がり幅が広がりました。

市場関係者は「新型コロナウイルスの感染拡大へのおそれと、企業の生産活動が停滞して世界経済への深刻な影響は避けられないという見方から、先行きに対する不透明感が強まっている。不安定な相場が続きそうだ」と話しています。

新型コロナウイルスの感染拡大で週明けに始まった世界的な株安の連鎖を受け、25日の東京市場も大幅な値下がりは避けられないと見られています。

世界各地の株式市場 値下がり率

24日の世界の株式市場は、新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に深刻な影響を与えると改めて強く意識され、株価の大幅な値下がりが連鎖しました。

各地の株式市場の値下がり率を見ると、中国 上海市場が小幅な値下がりにとどまる一方で、大幅な下落はヨーロッパやアメリカなど中国からより遠い地域で目立っています。

まず、感染拡大が深刻な韓国市場では値下がり率は3.8%と大きく、ほかのアジア市場では、香港市場が1.7%、シンガポール市場が1.2%などとなっています。

一方、震源とも言える中国 上海市場の値下がり率は、24日は0.3%にとどまりました。

ヨーロッパでは、ロンドンが3.3%、ドイツのフランクフルトが4%と、ともに大きく下落していますが、感染拡大が深刻なイタリアは5.4%のマイナスとさらに大幅な下落を記録しています。

これを受けたニューヨーク市場の値下がり率も3.5%と大きく、中国での生産活動の停滞が今後、世界経済に深刻な影響を広げていくのではないかという懸念が、株価の値下がり率からもうかがえます。

市場関係者は「中国から世界のメーカーへの部品供給を担う『サプライチェーン』の影響は、目に見えてくるまで数か月かかるという見方もあり株価は当面、不安定な状況が続くかもしれない」と話しています。

政府 日銀 市場動向を注視

海外市場で株価が急落していることを受けて、政府日銀は、市場の動向を注視するとともに、株価の変動が大きくなっている背景について詳しく分析することにしています。

24日のニューヨーク市場ではダウ平均株価が1000ドルを超える大幅な下落となり、午前9時からの東京株式市場でも株価は大幅に下落する可能性があります。

このため財務省は、金融庁、日銀とともに東京市場など各国の市場の動向を注視するとともに、ここにきてなぜ株価の変動が大きくなっているのか、背景について詳しく分析することにしています。

経済再生相「必要な施策を臨機応変に」

新型コロナウイルスの感染拡大による影響への懸念から、海外市場で株価が急落していることについて、西村経済再生担当大臣は閣議のあとの記者会見で、「感染が世界的に拡大していることから、金融資本市場への影響も含めて、十分に注意する必要がある。先にまとめた緊急対応策を速やかに実行するとともに、観光業をはじめとする経済への影響を十分注視しながら、緊急度に応じて、必要な施策を臨機応変に講じていきたい」と述べました。