政府 基本方針素案 “患者増で重症患者中心の医療提供体制を”

政府 基本方針素案 “患者増で重症患者中心の医療提供体制を”
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための具体策を盛り込んだ政府の基本方針の素案が判明しました。患者が増加するペースを抑制するための感染拡大の防止策を講じるとともに、今後、患者数が大幅に増えた場合は、重症の患者を中心とした医療提供体制を整備するため、症状が軽い人は自宅での療養を求めることなどが柱となっています。

医療機関をむやみに受診 感染しやすい環境を避けて

新型コロナウイルスをめぐり、政府は、24日専門家会議の会合を開き、専門家の意見を踏まえて、具体策を盛り込んだ総合的な基本方針の素案をまとめました。

それによりますと、現在の状況について、「国内の複数地域で感染経路が明らかではない患者が散発的に発生し、一部地域には小規模な集団感染が把握されている」としています。

そのうえで「患者の増加のスピードを可能なかぎり抑制することは、今後の流行を抑える上で重要であり、今後、患者数が大幅に増えた時に備え、重症者対策を中心とした医療提供体制などを整える準備期間にもあたる」としています。

そして、今が今後の健康被害を最小限に抑える上で極めて重要な時期だとして、国民に対しては医療機関をむやみに受診することや、感染しやすい環境に行くことを避けるよう求めています。

かぜの症状みられる場合 休暇取得や外出自粛を

続いて具体策です。

国民や企業に対して、▽発熱などかぜの症状がみられる場合、休暇の取得や外出の自粛などを呼びかけるとともに、▽イベントの開催については、一律の自粛要請は行わないものの、感染の広がりや会場の状況などを踏まえ、開催の必要性を改めて検討することなどを求めています。

地域で患者数増えた場合 広く外出自粛を求める対応も

感染拡大の防止策では、今後、地域で患者数が継続的に増えた場合は、感染経路などを調べる調査や濃厚接触者に対する健康観察は縮小し、広く外出自粛の協力を求める対応にシフトするとしています。

かぜ症状が軽度な場合 自宅での安静・療養を原則

医療提供体制について、現在は、感染が疑われる人は、「帰国者・接触者相談センター」に電話をしたうえで、紹介された専門の「帰国者・接触者外来」を受診してもらい、そこで入院などの措置をとっています。

これを今後、患者数が大幅に増えた場合は、▽一般の医療機関で、診療時間や動線を区分するなどの感染対策を講じたうえで、患者を受け入れるとしています。

あわせて、▽重症者を多数受け入れる見込みの指定医療機関から順に、専門の外来を段階的に縮小するとしています。

また、▽かぜの症状が軽度な場合は、自宅での安静・療養を原則とし、状態が変化した場合にかかりつけ医などに相談の上、受診するよう求めるほか、▽かぜの症状がない高齢者や基礎疾患がある人は、感染防止の観点から、電話による診療で処方箋を発行するなど、医療機関を受診しなくてもよい体制を構築するとしています。

政府は、25日、対策本部を開き、基本方針を決定し、公表することにしています。