厚労相 新型コロナ感染拡大防止 25日にも基本方針策定へ

厚労相 新型コロナ感染拡大防止 25日にも基本方針策定へ
新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、加藤厚生労働大臣は記者会見で、患者が増加するスピードを抑制するための対策などを早急に整備して、25日にも総合的な基本方針としてまとめる考えを示しました。
この中で、加藤厚生労働大臣は「最近の国内の発生事例を見ると、明らかな感染経路が判明していない事例がかなりの割合を占め、一部地域には小規模な患者のクラスターが把握される状況にある」と述べました。

そのうえで、加藤大臣は「患者の増加のスピードをどう抑えていくのか、そのことが最終的には流行のピークを引き下げていくことにもなり、まさに今の時期は、患者の増加のスピードを可能なかぎり抑制していくことが非常に重要だ。同時に、全体の医療提供体制を強化する準備期間にもある」と述べました。

そして、患者の増加のスピードを可能なかぎり抑制するための対策を、24日午前に開く専門家会議の意見も踏まえながら策定し、25日にも総合的な基本方針としてまとめる考えを示しました。

下船者のフォローアップ強化も

クルーズ船から下船して自宅に戻った栃木県内の女性が、新型コロナウイルスへの感染が確認されたことを受け、加藤厚生労働大臣は今後、下船した人に毎日、健康確認を行うなどフォローアップを強化する考えを示しました。

クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客で、栃木県内に住む60代の日本人女性は、ウイルス検査で陰性だったため、今月19日に下船し、自宅に戻りましたが、22日にウイルスへの感染が確認されました。

これについて、加藤厚生労働大臣は、記者会見で「下船後に陽性になったという事実を真摯(しんし)に受け止めなければならない」と述べました。

そのうえで、「下船後、定期的に実施することにしていた健康確認を毎日実施するよう通知した」と述べ、下船した人に毎日、電話で健康状態を確認するなど、フォローアップを強化する考えを示しました。

一方、加藤大臣は22日、東京都内の老人保健施設に勤める職員の感染が確認されたことを受け、介護施設の職員は出勤前に体温を測り、発熱などの症状がある場合には出勤しないことや、入所者への面会は、やむを得ない場合を除き、制限することなどをまとめた事務連絡を、24日にも通知する考えを示しました。

そして、「患者の増加のスピードを抑える大変大事な時期なので、かぜのような症状がある場合には、学校や仕事を休んで外出を控えるなど、感染拡大防止につながる行動を改めて国民の皆さんにお願いしたい」と呼びかけました。