中国 武漢封鎖から1か月 新たな医療施設の整備など対策強化へ

中国 武漢封鎖から1か月 新たな医療施設の整備など対策強化へ
中国では新型コロナウイルスの感染の状況が最も深刻な湖北省武漢で、事実上、街が封鎖される措置がとられてから、23日で1か月となりました。武漢で感染が確認された人は4万人を超えていて、当局は新たな医療施設の整備に乗り出すなど、さらに対策を強化する方針です。
中国で新型コロナウイルスの感染状況が最も深刻な湖北省武漢では、先月23日に空港や駅、それに高速道路が閉鎖されるなど事実上、街が封鎖される措置がとられてから23日で1か月になりました。

住民は感染拡大を防ぐため、外出を厳しく制限されるなど不自由な生活を強いられています。企業活動の再開時期も再三延期されて来月11日以降となるなど、経済面でも影響が出ています。

中国政府はこの1か月間に15か所の臨時の医療施設を整備してきたほか、3万人余りの医療関係者を派遣するなど対策を進めてきました。

それでも、武漢では22日も新たに感染が確認された人が500人を超え、これまでの感染者は4万6000人余りに上っています。

この1週間の状況を見ても、武漢での1日の死者の数がおよそ70人から100人余りとなっていて、依然として厳しい状況が続いています。

武漢では事実上の封鎖措置の解除が見通せない中、当局は、ホテルや工場などを改造して25日までに新たに19か所の臨時の医療施設を整備する計画で、感染を抑え込むためさらに対策を強化する方針です。

武漢に帰省の女性「早く封鎖が解除に」

武漢の実家に帰省している20代の北京在住の女性が、NHKの電話インタビューに答え、「友人が1人感染し、いよいよ自分に近づいてきて、不安な気持ちが強くなった」と話しています。

1か月に及ぶ街の封鎖措置については、「団地では人の出入りが規制され、買い物はネット通販だけで、連絡が来たら1階に行って受け取る仕組みになっている。毎日、体温を測って報告しないといけない」と不自由な生活ぶりを語りました。

そして、「定期的に眼科に通っていたが、今は感染も心配だし、どうしていいかわからない。いつ封鎖が解除されるかわからず、先が見えないのが最大の問題で、ずっと家の中にいて退屈で耐えられない。早く封鎖が解除されるようになってほしい」と話していました。