クルーズ船の約100人 国が用意の宿泊施設に移動

クルーズ船の約100人 国が用意の宿泊施設に移動
新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船に残っている乗客乗員のうち、感染が確認された人と同じ客室にいた、およそ100人の乗客が22日、国が用意した宿泊施設に移りました。
新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」では、これまでに乗客乗員合わせて634人が感染したことが明らかになっています。

乗客のうちウイルス検査の結果が陰性で、症状が見られない970人が、今月19日から21日までに船を下りて、公共交通機関などで帰宅しました。

一方、厚生労働省によりますと、クルーズ船には感染が確認された人と同じ客室にいた人や、帰国のためのチャーター機を待つ人など、合わせておよそ300人の乗客と、乗員がおよそ1000人いるということです。

このうち感染が確認された人と同じ客室にいて、ウイルス検査が陰性だったおよそ100人が22日、国が用意した埼玉県和光市の宿泊施設に移りました。

厚生労働省は22日に移動した、およそ100人に対して、感染した人が客室を離れた日から14日間を健康観察期間として、宿泊施設で待機するよう求めています。

また、乗員についてもウイルス検査を行ったうえで、クルーズ船の運航会社と協議し、希望者を下船させるなどの対応を検討するということです。

これまでの経緯

クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」では、香港で下船した男性が新型コロナウイルスに感染していたことが、今月1日に明らかになりました。

そのため、今月3日に横浜港の沖に停泊して、およそ3700人の乗客乗員のうち、発熱などの症状がある人を対象に、急きょウイルス検査が行われました。

この時、厚生労働省は検査の結果が判明するまでは全員、船内に待機するよう求めたうえで、症状のない人については検査を行わず、自宅に戻ってもらうことにしていました。

今月5日、検査の結果が出て10人の感染が明らかになり、厚生労働省は専門家の意見をもとに、14日間の「健康観察期間」を設けて、客室などに待機してもらうことにしました。

そして、船内に残ったすべての乗客乗員にウイルス検査をしたうえで、結果が陰性と確認され、健康状態にも問題がなければ、今月19日から順次、船を下りてもらうことにしました。

これは今月5日から客室ごとの隔離が徹底され、それ以降は乗客が同室の人以外から感染する可能性は低いという考えたからです。

そして、今月19日から21日までの3日間で、合わせて970人が船を下りました。