千葉市の中学校教諭 新型ウイルスに感染確認 学校は休校へ

千葉市の中学校教諭 新型ウイルスに感染確認 学校は休校へ
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千葉市内の中学校に勤める60代の教諭ら千葉県内の女性2人が、新型コロナウイルスに感染していることが新たに確認されました。
感染が確認されたのは、いずれも千葉県北西部に住む、千葉市の公立中学校の60代の女性教諭と、都内の会社に勤める30代の女性です。

千葉県と千葉市によりますと、このうち女性教諭は今月12日に、吐き気の症状で県内の医療機関を受診しました。

18日にはせきが出始めたため、翌日の19日は学校を早退し、再度、医療機関を受診したところ肺炎の症状が確認されました。

また、38度5分の発熱もあり、別の医療機関に入院しましたが、症状が改善せず、21日に検査を行った結果、新型コロナウイルスへの感染が確認されたということです。女性は現在、入院しています。

女性は発症後、13日から19日のうち平日5日間は勤務していたということで、千葉市はこの中学校を今月25日と26日、臨時休校とすることを決めました。

女性は発症前2週間以内の海外渡航歴はなく、感染者との明確な接触も確認されていないということです。

また、女性は夫と子どもの3人で暮らしていて、自宅から千葉市内まで電車で通勤していました。

一方、県によりますと、もう1人の30代の女性会社員は、20日に感染が確認された県内北西部に住む60代の警備員の男性の娘です。

現時点で症状は出ていませんが、検査の結果、21日に感染が確認され、22日から県内の指定医療機関に入院しています。

千葉 熊谷市長「踏み込んだ対策取る」

これを受けて、千葉市の熊谷俊人市長が22日に会見を開き、市内のすべての小中学校の教職員の過去の発熱状況について調査を行い、生徒や児童の健康を守る対策を徹底していく考えを示しました。

この中で熊谷市長は、勤務先の中学校について、およそ580人の生徒には不要不急の外出を控えるよう21日夜、保護者あてにメールで通知したほか、今月25日と26日の2日間、休校措置とすることを明らかにしました。

今後については「学校の消毒のほか、濃厚接触者の健康観察を実施し、専門家の意見を聞きながら、対応を検討したい」と述べました。

千葉市によりますと、この教諭は今月12日に症状が出たあと、13日と14日の2日間は、中学校の定期テストの試験監督をしたほか、17日には試験用紙を生徒に返却する業務にあたり、19日まで学校に来ていたということです。

市は学校内の濃厚接触者の洗い出しと健康観察を進めているほか、対応策として、この中学校の校内の部活動や県外への対外遠征試合を中止したということです。

さらに市は、ほかの小中学校で感染が広がるのを防ぐため、すべての市立の小中学校の教職員の過去の発熱状況を調査し、その結果に基づいて適切な対応を取るとしています。

熊谷市長は「児童生徒の健康を守り、保護者の不安を解消するため、市として踏み込んだ対策を一つ一つ取っていく」と話していました。

高校入試は別室などを検討

女性教諭の新型コロナウイルスへの感染を受けて、千葉県教育委員会は、来月2日に行われる公立高校の後期選抜の入学試験について、この中学校に在籍する生徒が受験する場合、ほかの受験生たちとは別の部屋や会場で受けてもらうことを検討しているということです。

県教育委員会学習指導課では「同じ試験を受けるこの中学校の生徒と、ほかの学校の生徒の両方が安心して臨めるような環境を整えられるようにしたい」と話しています。

また、県教育委員会では後期選抜の試験を受ける生徒自身が、新型コロナウイルスに感染した場合、来月18日に追試験を行うことを21日の時点ですでに決めています。