下船したドイツ人「帰国後の隔離避けるため日本滞在延長も」

下船したドイツ人「帰国後の隔離避けるため日本滞在延長も」
新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から下船した乗客のドイツ人、マーティン・ルタージョハンさん(76)が、NHKの電話インタビューに答えました。
マーティンさんは日本人の妻と金婚式を祝おうとクルーズ船のツアーに参加したということです。

マーティンさんたちは先月20日に乗船し、新型コロナウイルスの感染が確認された今月5日以降、14日間にわたって部屋から出ることができませんでした。

そして、19日、ウイルス検査の結果が陰性で症状が見られなかったことから下船し、現在は都内のホテルに滞在しています。

マーティンさんは、毎日熱を測り今のところ症状がないことから、不安はないとしたうえで、「下船できてとてもほっとしている。今は東京を楽しんでいる。陽性でも症状がない人が大勢いるのは分かっているので安全だという保証はない」と話していました。

船内での生活の様子についてマーティンさんは、「部屋から2、3歩出ただけで乗員が刑務所の看守のように客室に戻るよう指示してきた。しかし乗員は自由に船内を動き回っていた。感染した人が激増した背景には食事を用意し、部屋まで運ぶ乗員を通じてウイルスへの感染が広まったのではないか」と述べました。

チャーター機で帰国したオーストラリア人の乗客2人から陽性反応が出たことについて、「下船の際に話したオーストラリア人夫婦はチャーター機で帰国したいといっていたが、ウイルス検査の結果は知らされていないといっていた」と述べ、ウイルス検査の結果が本人に伝えられていなかった可能性があることを示唆しました。

今後の予定についてマーティンさんは、「政府は下船してから2週間の間、ウイルスへの感染が確認されていないことを証明できないかぎり、ドイツに帰国したら2週間隔離するといっている。ドイツでの隔離を避けるため日本の滞在をさらに2週間延ばすことも検討している」と述べ、しばらく日本にいる考えを示しました。