中国 習主席 各国首脳と電話会談 懸念払拭するねらいか

中国 習主席 各国首脳と電話会談 懸念払拭するねらいか
中国の習近平国家主席は、韓国とパキスタンの首脳と20日、相次いで電話で会談し、新型コロナウイルスの感染を抑制しつつあるとしたうえで経済への影響をできるかぎり減らすと強調しました。習主席は、19日にはイギリスとフランスの首脳とも電話会談し、同様の考えを伝えていて、影響は一時的なものだとアピールし、各国の懸念を払拭(ふっしょく)するねらいがあるとみられます。
中国外務省によりますと、習近平国家主席は、韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領、パキスタンのカーン首相と、20日、相次いで電話で会談しました。

このうち、ムン大統領との会談で、習主席は、新型コロナウイルスの感染への対応について、「苦しい努力を経て、前向きな変化が見えてきた」と述べ、感染を抑制しつつあるという認識を示しました。

そのうえで「感染の影響を極力抑え、既定の経済や社会の発展目標の実現に努力する」と述べ、経済への影響をできるかぎり減らすと強調しました。

習主席は、カーン首相との会談でも同様の考えを伝えたほか、19日にはイギリスのジョンソン首相、フランスのマクロン大統領ともそれぞれ電話で会談し、同様に新型コロナウイルスの抑制に自信を示しました。

中国では、感染拡大によって国内の企業活動が停滞し、とりわけ隣国・韓国との間では、貿易面で大きな影響が出ています。

習主席としては、影響は一時的なものだとアピールし、各国の懸念を払拭するねらいがあるとみられます。

湖北省 企業活動再開を再延期 来月11日に

新型コロナウイルスの感染が最も深刻な中国・湖北省の地元政府は、企業活動の再開を認める時期をさらに延期させ、来月11日とすると発表しました。

湖北省では、医薬品やエネルギーなど一部の業種を除いて、今月21日以降に企業活動の再開を認めると先週、通知していました。

しかし湖北省の地元政府は「感染の状況に前向きな変化が出ているものの全体として、依然、緊迫している」としたうえで、感染を防ぐ必要があるとして、企業活動の再開を認める時期を、来月11日以降に延期するよう、改めて通知を出しました。

湖北省は、武漢を中心に、自動車産業やハイテク産業が集積していて、工場の操業再開がさらに遅れることになれば、日系企業も含めて影響が一層広がることが懸念されます。