クルーズ船 「客室待機以前に感染か」 感染症研究所など見解

クルーズ船 「客室待機以前に感染か」 感染症研究所など見解
新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船で、国立感染症研究所などは客室の待機を求めた今月5日より前に、多くの乗客がウイルスに感染していた可能性が高いとする見解を示しました。一方で乗員は5日以降も感染が続いた可能性があるとしています。
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」は、今月3日に横浜港沖に停泊して検疫が行われ、5日に乗客の感染が確認されたため、厚生労働省はすべての乗客に対し客室などで待機するよう求めました。

20日夜の会見で国立感染症研究所の担当者などは感染した人たちに発熱などの症状が出た発症のピークは、今月7日だったとみられるという見解を示しました。

このため乗客の多くは、ウイルスの潜伏期間を考えると5日に客室待機を求める前に感染していた可能性が高いとしています。

一方、乗員については、船内で業務を続けなければならなかったため、5日以降も感染が続いた可能性があるとしています。

厚生労働省は客室の待機を求めた措置は一定の効果があったとしていますが、もっと早くから対策を取れなかったのか、乗員などへの感染防止対策は十分だったのかなどについて、今後、検証を進めたいとしています。