卒業式も歓送迎会もネットで! 集まらない動き広がる

卒業式も歓送迎会もネットで! 集まらない動き広がる
新型コロナウイルスの感染が各地に広がり、専門学校の中には卒業式を学生と教職員だけで行い、会場に入れない保護者らにインターネット中継で式の様子を見てもらおうという動きが出ています。一方、企業では社内の歓送迎会を「オンライン」で開催しようという動きもあります。
北海道千歳市にある日本航空専門学校では、これまで卒業生と在校生、教職員のほか、保護者や企業関係者ら来賓が出席し、学校の体育館で卒業式を開催していました。

ことしも加湿器や消毒用のアルコールを増やすといった対策を取り、例年どおりの開催を目指していました。

しかし、卒業生の出身地が全国におよぶ中、各地から多くの人を集めるのは感染拡大につながるおそれもあるとして、学生と教職員だけで卒業式を行うことを19日に決めました。卒業式4日前の苦渋の決断だったといいます。

出席を予定していた保護者と来賓には、インターネットの動画配信の仕組みを使って、式の中継映像を見てもらう予定です。

卒業予定の学生は「遠くから飛行機や電車などでお金を払って卒業式に来る予定だった親御さんが多くいます。4日前に告げられてもやるせない気持ちです。人生で最後の卒業式ですので、成長した姿で親に感謝の気持ちを伝えたかったので残念です」と話しています。

大学でも

卒業式を来月中旬に控える徳島文理大学は20日、ホームページに学生と保護者へのメッセージを掲載しました。

新型コロナウイルスの感染を防ぐため、香港やマカオ、中国から帰国して2週間以内だったり、感染が確認された地域への渡航歴が無くても発熱やせきなどの症状があったりする場合には、卒業式への出席を見合わせるよう求めています。

そして、式に出られない人に向けて当日の様子を撮影した動画を期間をかぎってインターネットで配信するとしています。

こうした対応をとるのは初めてだということで、徳島文理大学総務課は「苦渋の決断だった。せっかくの晴れ舞台なので、すべての人に出席してほしいという思いはあるが、大学としていちばん守るべきなのは学生の安全だと考えた。引き続き、感染の状況をみて対応を考えていきたい」と話しています。

歓送迎会もオンラインで!

一方、企業の中には社内の歓送迎会を「オンライン」で開催しようという動きもあります。

ツイッターには「妻の会社の歓送迎会、コロナウイルスのせいでリモート開催することに。おかげで海外赴任中の元同僚や育休中のママも参加できるようになって、みんなの参加意欲が高まってるらしい」という投稿も。

投稿した男性に話を聞きました。男性の妻は都内のメーカーに勤務していて、来月、所属する部署の10人ほどで歓送迎会を開く予定でしたが、パソコンのビデオ会議システムを使って、それぞれの自宅から参加する形に変更しました。

男性は「送別の気持ちまで自粛する必要はないので、こういった新しい形はどんどん広がってほしいと思いました」と話しています。

ただ、妻自身はあまり乗り気でないらしく、「自宅にいる間は子どもから目が離せず、食事や風呂と忙しいので、楽しめるかどうか不安だ」と受け止めているということです。

また、妻は「みんなで同じものを食べる楽しみもあるので、各自で食べ物を用意するのはさみしい。もし自分が幹事だったら食事の配達サービスを使って、みんなが同じ料理を食べられるようにするかな」とも話しているということです。