日本環境感染学会 高齢者施設などで感染対策支援へ

日本環境感染学会 高齢者施設などで感染対策支援へ
国内で感染の報告が相次ぐ新型コロナウイルスについて、感染予防などの専門家で作る「日本環境感染学会」は、重症化するリスクが高いとされる高齢者がいる施設を対象に講習会を開いたり、地域の病院に対し感染が広がらないよう助言したりするなど、感染対策の支援を行うことを決めました。
新型コロナウイルスに感染すると高齢者や、糖尿病や高血圧などの持病のある人が重症化しやすいとされています。

感染予防などが専門の医師や看護師などで作る「日本環境感染学会」は、高齢者が多い特別養護老人ホームなどの施設や、地域の病院に対して支援を行うことを決めました。

具体的には、高齢者施設の職員を対象にした講習会を開くなどして、職員の健康管理を徹底することや、職員は施設の中で担当する利用者以外の高齢者との接触をなるべく避け、感染を最小限に抑えることなど、現場でできる対策を普及させるとしています。

また、地域の病院に対しては、院内感染の拡大を防ぐ対策についての助言を行うとしていて、必要に応じて専門家が派遣できるよう態勢を整えたいとしています。
学会の理事長で、東京慈恵会医科大学の吉田正樹教授は「高齢者施設で集団感染が起きると、受け入れる医療機関は負担が大きいうえ、医療機関内での感染が広がるリスクも高まる。重症化しやすい人たちを救えるよう、必要な支援を行っていきたい」と話しています。