中国 大手自動車メーカーがマスク生産 24時間態勢で

中国 大手自動車メーカーがマスク生産 24時間態勢で
新型コロナウイルスの感染が広がっている中国で、マスクの生産に異業種からの参入が相次ぎ、南部の広東省広州では大手自動車メーカーが24時間態勢で生産にあたっています。
中国南部、広東省は新型コロナウイルスの感染状況が最も深刻な湖北省に次いで感染者が多くなっていて、マスクが不足する中、国有企業の広州自動車グループがマスクの生産に乗り出すことになり、今月13日から生産を始めました。

国内外のメディアに公開された生産現場ではもともと部品の研究開発を行っていたスペースに5本の生産ラインが設けられ、防護服姿の作業員たちが24時間態勢でマスクの加工やこん包の作業にあたっていました。

現状では1日当たり10万枚を生産していますが、さらにラインを増やして、今月末をめどに100万枚に拡大する計画です。

生産ラインには車づくりで培った自動化の技術が生かされていて、マスクはグループの従業員のほか、医療機関などにも供給されるということです。

生産にあたるグループ傘下の部品メーカーの黄旭盛副社長は「マスクの生産には車の生産と似ているところがあります。生産を増やして需要を満たしていきたい」と話していました。

中国ではマスクの生産にスマートフォンや衣服のメーカーなど異業種からの参入が相次いでいます。

中国企業 検査キットや消毒液 フル稼働で生産

中国ではウイルス検査を行う企業や消毒液を生産するメーカーが需要の高まりを受け、フル稼働を続けています。

新型コロナウイルスの感染者が湖北省に次いで多い広東省では、地元政府が19日、国内外のメディアを対象に、感染対策に関係する広州の企業の現場を公開しました。

このうち地元の大学が出資する医療関係の企業グループは、新型コロナウイルスの検査キットの製造や、病院から送られてくる検体の検査を行っています。

このグループの検査室では、防護服とゴーグルで身を包んだ人たちが24時間態勢で作業に当たっていて、1日当たり1万5000件を検査しているということです。

企業の副社長は「私たちの提供するキットでウイルスに打ち勝つことができると信じている」と話していました。

また、液体せっけんや消毒液を作る生活用品メーカーでは、消毒関係の商品の需要が、これまでのピーク時の4倍に増えているということです。

その一方で、交通制限のため春節に帰省したまま戻れない従業員も多く、工場では連休を返上しても生産が追いついていないということです。

メーカーの担当者は「人が足りず生産が間に合っていません。ほかの商品は作らず消毒関係のものだけを作っています」とと話していました。