クルーズ船の感染予防対策 同様ケースの対応検討へ 厚生労働相

クルーズ船の感染予防対策 同様ケースの対応検討へ 厚生労働相
新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、加藤厚生労働大臣は衆議院予算委員会で、集団感染が起きたクルーズ船での感染予防対策は、専門家の指摘を受けながら進めていたとしたうえで、今回の対応を検証し、同様のケースが起きた場合の対応を検討する考えを示しました。
この中で加藤厚生労働大臣は、集団感染が起きたクルーズ船で感染予防対策が十分ではなかったとする、神戸大学の岩田健太郎教授の指摘について、「現地の職員によれば、区域管理もしっかり行われている。感染症の専門家らからいろいろな課題が指摘され、日々修正をしながら今日に至っている」と述べました。

また、岩田教授について「災害派遣医療チーム=DMATの業務に従事するという約束の役割分担で乗船してもらったが、業務を適切に運営してもらえなかったため、下船してもらった」と説明しました。

そのうえで、加藤大臣は「クルーズ船が観光客を乗せて、わが国にたくさん来ることはこれからも続くが、感染の時に誰が責任をもって対応すべきなのか、その場合どういう対応をすべきなのか、今回のことを反省や検証しながら、やっていかなければならない」と述べ、同様のケースが起きた場合の対応を検討する考えを示しました。

官房長官「下船をお願いした」

菅官房長官は午前の記者会見で、集団感染が起きたクルーズ船で、感染予防対策が十分ではなかったとする神戸大学の岩田健太郎教授について、「災害派遣医療チームのメンバーとして活動するということで船内に入っていただいたが、それを離れて別の形で動かれることは適正ではないということで下船をお願いした。船内の管理は感染管理の専門家が常駐しており、ゾーニングも行っていたと聞いている」と述べました。

また、岩田教授がインターネット上に投稿していた動画が削除されたことについて、記者団が「政府が関与したのか」と質問したのに対し、菅官房長官は「関与していない」と述べました。

一方、岩田教授の動画に反論する形で、インターネット上で船内の状況などを説明している高山義浩医師について、菅官房長官は厚生労働省の参与であることを明らかにしたうえで、「現場に行って対応された方だ。クルーズ船内は感染拡大防止の措置がとられ、隔離が有効に行われていることが確認された」と述べました。

公明 北側副代表「国際法上のルール確立を」

公明党の北側副代表は記者会見で、クルーズ船への対応について、「検証作業が必ず必要だ。クルーズ船は日本だけが当事者ではないので、感染症に対しどう対応するのか、国際法上のルールを確立しなければならない」と述べました。