中国 新型ウイルスの論評めぐり米紙3人の記者証無効に

中国 新型ウイルスの論評めぐり米紙3人の記者証無効に
中国政府は、アメリカの有力紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」が掲載したアメリカの学者による新型コロナウイルスへの対応についての論評が「中国を中傷した」として、北京駐在の3人の記者の記者証を無効にしたことを明らかにしました。
これは中国外務省の耿爽報道官が19日、インターネットを通じた記者会見で明らかにしました。

この中で耿報道官は「ウォール・ストリート・ジャーナル」が今月3日付けで掲載したアメリカの学者による新型コロナウイルスへの対応をめぐる論評について「中国こそが、アジアの真の病人だ」という見出しは人種差別的だと非難しました。

そのうえで、この論評は新型コロナウイルスの感染拡大を阻もうとしている中国政府と国民の努力を中傷したとしたうえで「国民の極めて強い憤りと、国際社会の幅広い非難を引き起こした」と指摘しました。

中国政府は「ウォール・ストリート・ジャーナル」に対し、再三にわたって正式な謝罪と責任者の処分を求めたものの受け入れられなかったとしています。

このため19日付けで北京駐在の3人の記者の記者証を無効にしたことを明らかにしました。

中国政府は、外国メディアの報道内容が意に沿わない場合、報復として記者証や取材ビザを更新しないケースが相次いでおり、今回の新型コロナウイルスをめぐる報道については特に神経をとがらせているものとみられます。