中国 新型ウイルスで政府対応批判の人権活動家を拘束

中国 新型ウイルスで政府対応批判の人権活動家を拘束
中国で市民の政治参加などを訴える運動を呼びかけ、最近は新型コロナウイルスに対する政府の対応を批判していた著名な人権活動家が警察に拘束されました。
拘束されたのは市民の政治参加や社会改革を訴える「新公民運動」を呼びかけた人権活動家の許志永氏で、公共の秩序を乱した罪で4年間服役し、3年前に出所しました。

関係者や香港メディアによりますと、許氏は去年12月、福建省で人権派弁護士などと市民社会について話す会合を持ったところ、警察が国家の転覆を謀ったとして参加者を次々と拘束したため身を隠していました。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で住宅地の出入りの管理が厳しくなる中、今月15日、広東省広州の弁護士の家で警察に拘束されたということです。

許氏は最近、インターネット上で発表した文章でウイルスについて「政府が真相を封殺し、公開を遅らせたことが、ウイルスの流行を招き国に災いをもたらした」と述べ、政府の対応を批判し、習近平国家主席に退任を求めていました。

また当局の発表前にSNS上で警鐘を鳴らして警察に処分され、その後にみずからも感染して死亡した武漢の医師に哀悼の意を表していました。

この医師はメディアの取材に「健全な社会は『1種類の声』だけになるべきでない」と話していましたが、当局は許氏を拘束したことで、異なる意見は力で封じ込めるという姿勢を改めて示した形です。