致死率は2.3% 高齢者や持病ある人は注意 中国分析データ公表

致死率は2.3% 高齢者や持病ある人は注意 中国分析データ公表
中国で新型コロナウイルスへの感染が確認されたおよそ4万4500人の詳しいデータが公表され、全体の致死率は2.3%でしたが80代以上では14.8%などと高齢者が高いほか、心臓など循環器に持病がある人は10.5%と高いことが分かりました。大規模なデータの分析から病気の詳細が明らかになったのは初めてで、専門家は改めて重症化しやすい人の感染対策を徹底するよう呼びかけています。
中国の疾病予防センターで対策に当たっているチームは、今月11日までに新型コロナウイルスへの感染が確認された4万4672人について分析したデータを発表しました。

それによりますと、感染者のうち軽症が80.9%、重い肺炎や呼吸困難など重症は13.8%、そして、呼吸器の不全や敗血症、多臓器不全など命に関わる重篤な症状だったのは4.7%でした。

重篤なうちのおよそ半数、1023人が死亡していて、全体の致死率は2.3%だとしています。

致死率を年代別にみると、40代以下は0.4%以下で、50代は1.3%と全体より低かったのに対し、60代では3.6%、70代では8%、80代以上は14.8%と高くなっていました。

持病のある人は重症化しやすいとされますが、感染者のうちで循環器の病気の人の致死率は10.5%、糖尿病では7.3%、慢性の呼吸器の病気では6.3%、高血圧で6%、すべてのがんで5.6%としています。

地域でも差があり、感染の中心となっている湖北省では2.9%だったのに対し、中国本土のほかの地域では0.4%でした。

一方で、発症した人が最も多かった時期は中国当局が武漢の交通機関を停止した先月23日から26日で、その後、患者の減少傾向は続いているとしています。

大規模なデータの分析から病気の詳細が明らかになったのは初めてで、感染症の予防対策に詳しい東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は「膨大なデータから年代別の致死率や持病との関わりが見えてきたことは大きな意義がある。情報が増え、対策も進められているため、日本では中国の致死率よりは低くなると考えられるが、高齢者や持病のある人に感染させない対策を徹底することが、今後改めて重要になってくる」と話しています。