「抗マラリア薬を治療薬に」中国保健当局専門家チームトップ

「抗マラリア薬を治療薬に」中国保健当局専門家チームトップ
中国で新型コロナウイルスに感染して死亡した人が1800人を超える中、中国の保健当局の専門家チームのトップは、新型コロナウイルスをめぐって抗マラリア薬が治療に効果があり副作用も大きくないとして治療薬として検討すべきだと指摘しました。
中国では、新型コロナウイルスに感染して死亡した人が1868人となり、感染者の数は、「臨床診断」で判定された人を含め7万2436人に上っています。

こうした中、中国の保健当局の専門家チームのトップを務める鍾南山氏は、18日南部の広東省で記者会見し、これまでの臨床試験の結果、抗マラリア薬の「リン酸クロロキン」が治療に効果があったと明らかにしました。

また「リン酸クロロキン」は特効薬ではないとしながらも、投与した患者の多くが15日以内にウイルス検査で陰性となり副作用も大きくないとして、治療薬として検討すべきだと指摘しました。

さらに鍾氏は完治した人の血しょうを使う治療法についても比較的安全で重症患者に効果があると指摘しました。

こうした治療法は、中国政府も効果的だとして退院した患者に血しょうの提供を呼びかけ、治療に使うことにしています。

一方、鍾氏は中国の患者1099人の臨床データを分析した結果、ウイルスの潜伏期間が14日を超えた人が13人いたと明らかにした一方、平均は4日だとして、潜伏期間が14日を超えるのは特別なケースだという認識を示しました。