感染拡大続く中国 来月5日の全人代 異例の延期へ

感染拡大続く中国 来月5日の全人代 異例の延期へ
中国では、17日に新たに確認された新型コロナウイルスの感染者が2000人を下回りました。これは先月30日以来のことで、中国の保健当局は、「よい変化が表れている」と強調しています。一方、中国で最も重要な政治日程の1つ全人代=全国人民代表大会が延期される見通しとなり、中国共産党系のメディアは、来月下旬に延期されるという見方を伝えました。
中国の保健当局、国家衛生健康委員会によりますと新型コロナウイルスに感染して死亡した人は、湖北省を中心にきのう新たに98人増え、中国での死者は1868人になりました。また、感染した人は新たに1886人増え、7万2436人となりました。

1日に確認された感染者の数が2000人を下回ったのは先月30日以来で、国家衛生健康委員会の報道官は、18日の記者会見で、「いっそうよい変化が表れている」と強調しました。

こうした中、来月5日に開会予定だった全人代=全国人民代表大会の延期が、今月24日に開かれる全人代常務委員会で正式に決まる見通しになりました。

全人代は、全国から3000人近い代表が出席して向こう1年の基本政策などを決める、中国で最も重要な政治日程の1つで、1998年以降、毎年3月5日に開会することが慣例となっていて、延期は極めて異例です。

延期の時期について、中国共産党系のメディア、「環球時報」の英語版は18日、複数の専門家の見方として、「来月下旬に延期される可能性がある」と伝えました。また、「北京で1週間、新たな感染者が出なければ、開催に適切な時期だ」とする専門家の見方も伝えています。

全人代が実際にいつ開催されるかは、今後の感染の状況しだいだとみられ、開催時期は依然、見通せていません。

中国でのNHK海外向けテレビ放送 1分半程度 放送が中断

中国では、日本時間の今夜7時すぎにNHKの海外向けテレビ放送「ワールドプレミアム」で、中国の習近平指導部が新型コロナウイルスの感染拡大への対応をめぐって、難しい対応を迫られていることを伝えるニュースを放送した際、画面が2度にわたって真っ黒になり、あわせて1分半程度、放送が中断されました。

中国では国内で放送される外国のテレビ局の放送内容も当局に監視されていて、中国政府や共産党にとって都合の悪い内容については、放送が中断されることがたびたびあります。

今回は記者が「感染拡大が、習近平指導部を厳しい状況に追い込んでいる」と指摘した際に放送が中断しており、新型コロナウイルスの感染拡大への対応をめぐり、国民の不満がくすぶるなか中国当局が神経をとがらせていることがうかがえます。