クルーズ船 検査陰性の乗客乗員 あすから下船へ

クルーズ船 検査陰性の乗客乗員 あすから下船へ
新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船で、船内に残っている乗客や乗員について、厚生労働省は、ウイルス検査で陰性だった場合、19日から順次、下船してもらうことにしています。
横浜港に停泊しているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」では、これまでに乗客・乗員合わせて454人の感染が明らかになっていて、船内には17日正午の時点で、乗客・乗員合わせて3100人余りが残っています。

厚生労働省は全員のウイルス検査を実施したうえで、結果が陰性で発熱などの症状が無い人は、14日間の健康観察期間が終了する19日から順次、下船してもらうことにしています。

厚生労働省によりますと、乗客についてはすでに全員の検体を採取していて、19日には結果が判明し、21日ごろまでには下船を終える見通しだということです。

ただし、感染が確認された人と同じ部屋にいた場合は、検査結果が陰性でも感染した人が部屋を離れてから14日間は船内に残り、健康状態に問題がなければ下船してもらうことにしています。

厚生労働省によりますと、下船したあとは、自宅で日常生活に戻ってもらい、数日間は健康状態を電話で確認することにしています。

一方、乗員については、乗客の下船を優先して進めたあとで、クルーズ船の運航会社と協議して希望者を下船させるなどの対応を検討するということです。

乗客「夫婦そろって船を下りたい」

新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船、「ダイヤモンド・プリンセス」に夫婦で乗船している長崎県の60代の男性が、NHKラジオの電話インタビューに答え、「検査の結果を待って夫婦そろって船を下りたい」と先行きが不透明な中での不安な心境を語りました。

この男性は先月20日、夫婦でクルーズ船に乗って横浜港を出港し、香港やベトナムなど観光したあと横浜港に戻り、経過観察が続いています。

夫婦は、いずれも特に体調に変化はないということですが、16日に検体を採取され、結果が出るまでにおよそ3日かかるということです。

男性は、インタビューの中で、「検査結果が夫婦2人とも陰性ならそろって下船できるが、もし1人が陽性なら陽性の人はさらに14日間の経過観察になる」と不安な様子で話していました。

そして、「検査で陽性の人にはすぐに連絡があるが、陰性の人には連絡がなく不安な気持ちで何日も待っているようだ。陰性の人にも連絡がほしい」と訴えていました。

また、船内での生活については、部屋に隔離されているのでほかの乗客の状況はわからないとしたうえで、「提供される食事は食べきれないほど多く、部屋の掃除用品や交換用のベッドのシーツも配給されている」、「洗濯はランドリーサービスがあるがなかなか順番が回ってこないので、配給された洗剤を使って洗面所で洗濯をしている」などと話していました。

男性は、「最も重要なのは私たちが地域に戻ってから感染を広げないことで、そのためには必ずしも19日の下船にはこだわっていない」としています。