新型ウイルス 治療薬は?エイズ発症抑える薬の有効性評価急ぐ

新型ウイルス 治療薬は?エイズ発症抑える薬の有効性評価急ぐ
感染の報告が相次ぐ新型コロナウイルスについて、患者の治療を行っている医師がNHKのインタビューに応じ、各国で試験的に患者への投与が行われているエイズの発症を抑える薬などについて「可能なかぎり早く現場で使えるよう努力したい」と述べて、臨床試験を通じた有効性の評価を急ぐ考えを示しました。
新型コロナウイルスに対して効果が確認された治療薬は現在のところなく、各国の医療機関や国立国際医療研究センターでは一部の患者に対してエイズの発症を抑える薬を試験的に投与しています。

国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長はNHKのインタビューで、この薬の投与についてSARSやMERSの際に海外で試験的に使われた経験を踏まえ、患者の同意を得て行ったと明らかにしました。

これについて大曲センター長は「患者の数が限られているので効果があったかどうかまだ分からないが、結果として投与されたあとで回復している患者もいる」と述べました。

そして、この薬について「適応外使用」という方法で新型コロナウイルスに感染した患者に試験的に使用していますが、最終的には臨床試験で有効性や安全性を確認する必要があるとしています。

大曲センター長は「すでに承認されている薬なので臨床試験も足りないデータを補えばよく、時間が通常より短くて済む。可能なかぎり早く現場で使えるよう努力し、国の手続きも短期間で終えられるよう要請したい」と述べ、有効性の評価を急ぐ考えを示しました。