中国で3億人以上が移動へ 新型ウイルス 感染拡大防止が課題

中国で3億人以上が移動へ 新型ウイルス 感染拡大防止が課題
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中国では、最も深刻な湖北省で重症の患者を治療するための医療体制の拡充が急がれる一方、ほかの地域では企業活動や学校の再開に伴い、今後3億人以上の人が移動すると見られることから、感染拡大をどう抑え込むかが大きな課題となっています。
中国では新型コロナウイルスに感染して死亡した人が1523人、感染者の数は6万6000人を超えています。

このうち感染者が5万4000人余りに上る湖北省では、患者の急増に医療体制が追いつかず、入院までに時間がかかることが重症患者が増える原因となっていることから、中国政府は全国各地からこれまでに2万5000人以上の医療関係者を現地に派遣するなど、医療体制の拡充を急いでいます。

一方、湖北省以外の地域では、これから来月にかけて企業活動や学校が徐々に再開するのに伴い、帰省先などから3億人以上が都市部に移動する見通しだということで、中国政府は車内の消毒や利用客の体温検査など、交通機関での予防対策に万全を期す方針です。

このうち、これまでに375人の感染者が出ている首都 北京では、帰省先などから戻ってきたすべての人を対象に14日間、自宅などで経過観察をする措置を始め、感染拡大の封じ込めに向けて警戒を強めています。

一方、国営メディアは15日夜、習近平国家主席が今月3日に開かれた共産党最高指導部の重要会議で述べた発言の詳しい内容を発表し、この中で徹底した対策がとられる前の先月7日に、習主席が感染拡大の抑え込みを指示していたことを明らかにし、対策の遅れへの批判をかわしたいねらいがあるとみられています。