新型ウイルス 中国 医療従事者の感染防止が深刻な課題

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中国では、感染した人の数が6万3000人を超えました。中国政府は、医療従事者1700人以上が感染したことを明らかにし、医療現場での感染の防止が深刻な課題となっています。
中国では、新型コロナウイルスに感染して死亡した人が1380人となり、感染者の数は「臨床診断」で判定された人を含め、6万3851人に上っています。

こうした中、中国政府は14日、今月11日までに医療従事者1716人が新型コロナウイルスに感染し、6人が死亡したことを明らかにしました。

このうち最も状況が深刻な湖北省では、感染した医療従事者の数が1502人と、全体の80%以上に上っているということです。

湖北省には全国各地から2万人以上の医療従事者が派遣されていますが、急増する患者の治療を行う現場の医師などは疲労がたまっているほか、ウイルスに感染するおそれもあり、心理的な負担が増えています。

このため中国政府は医療従事者のために電話相談の窓口を設置するなど対応に追われていて、医療現場での感染の防止や医師などへの精神的なケアが深刻な課題となっています。

一方、習近平国家主席は14日開いた共産党の会議で、一連の対応に不備があったことを改めて認めたうえで、今回の教訓を生かし、重大な感染症を防ぐための体制を整備していく考えを強調しました。