和歌山70代男性も感染確認 重症 「院内感染は考えにくい」知事

和歌山70代男性も感染確認 重症 「院内感染は考えにくい」知事
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和歌山県内で70代の男性が新型コロナウイルスに感染していることが新たにわかりました。症状は重いということです。この男性は、13日、感染が確認された50代の男性医師が勤務する病院に一時入院していましたが、和歌山県の仁坂知事は「この男性が入院したのは男性医師が自宅療養を始めてからなので、病院内で感染が広がったとは考えにくい」と説明しています。
新たに感染が確認されたのは、和歌山県内に住む70代の農家の男性です。

13日、50代の男性の外科医が新型コロナウイルスに感染していることが明らかになった和歌山県湯浅町の済生会有田病院では、同僚の男性医師1人と受診歴がある男性2人に肺炎の症状が出ていて、県が検査を進めていました。

その結果、受診歴がある70代の男性1人も新型コロナウイルスに感染していることが確認されたということです。

県によりますと、この男性は今月1日、おう吐などの症状が出て県内の医療機関を受診したあと、6日に済生会有田病院に入院し、13日、別の病院に転院しました。

男性は症状が重く、十分、聞き取りができる状態ではないということで、最近、中国に滞在歴があるかや、中国から来た人と接触していたかどうかについてはわかっていないということです。
先に感染が確認された男性医師は、発熱などの症状が出たあとも今月3日から5日にかけて診療を続けていましたが、6日からは自宅で療養しているということで和歌山県の仁坂知事は「この男性は、男性医師が病院に来なくなってから入院しているので病院内で感染が広がったとは考えにくい」と説明しています。

県は、肺炎の症状が出ている残る2人についても感染していないか、検査を急ぐことにしています。

また、先月18日に済生会有田病院の内科を受診し、肺炎の症状が出ていて検査の結果、陰性となった70代の女性についても、改めてウイルス検査をすることを決めました。

湯浅町 行政防災無線で町民に呼びかけ

新型コロナウイルスに感染した男性医師が勤務していた病院がある和歌山県湯浅町では防災行政無線を使って住民にしっかりと感染予防をし、冷静に対応するよう呼びかけています。

地元の済生会有田病院に勤務する50代の外科医の男性と、この病院に受診歴がある70代の男性1人が新型コロナウイルスに感染していることを受けて、町では、14日、防災行政無線で町内で感染者が確認されたことを周知したうえで過剰に心配することなく、マスクの着用や手洗いなどの感染症対策を徹底するよう呼びかけました。

町役場には住民からの電話による相談や問い合わせが相次いでいるということで、防災行政無線でも新型コロナウイルスの相談窓口が湯浅保健所に設置されていることを伝えていました。

湯浅町地域防災係の林賢太郎係長は「住民の方には正確な情報をもとに適切に対処してほしい。新しい情報が入り次第、随時、お伝えしていく」と話していました。

診察前 患者などの車内待機を求める病院も

湯浅町の病院で医師と入院していた患者が新型コロナウイルスに感染していたことが確認されたことを受けて、病院の近くにある診療所では、待合室で感染が広がることを防ごうと車で訪れる患者や家族に診察を受けるまで車内で待機してもらうよう協力を求めています。

和歌山県有田川町にある坊岡医院は済生会有田病院からおよそ7キロと比較的近くにあることからふだんから済生会有田病院の患者やその家族が診察に訪れることが少なくないといいます。

こうしたことから診療所内での感染予防を徹底しようと14日から高齢の患者や家族に対しできるだけ待合室を利用せず、車の中などで待機してもらうよう協力を呼びかけています。

坊岡医院の坊岡進一院長は、「院内での滞在時間を短くするために、できることをしようと思っています。患者にはご迷惑をおかけしますが、協力をお願いしたいと思います」と話していました。