中国 新型ウイルス患者数6万人に迫る 習指導部湖北省幹部更迭

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中国では、最も深刻な湖北省を中心に患者数が6万人に迫っています。習近平指導部は、湖北省の幹部を次々と更迭し、国民の批判をかわすとともに、各地の政府の幹部らに今が最も重要な時期だとして全力で感染拡大の抑え込みに当たるよう求めています。
中国では、新型コロナウイルスに感染して死亡した人が新たに254人増えて1367人となり、患者の数は6万人に迫っています。

こうした中、習近平指導部は13日、感染拡大が最も深刻な湖北省のトップ蒋超良書記(62)と、武漢市のトップ、馬国強書記(56)の2人の解任を発表し、対策が十分ではなかったとして更迭したものとみられます。

湖北省では今月11日にも、省の保健当局のトップとナンバー2の2人を解任しており、対応が不十分な責任者には厳しく対処する姿勢を示すことで、国民の批判や不満をかわすとともに、各地の政府や共産党の幹部に全力で予防対策にあたるよう迫るねらいがあるとみられます。

一方、医師や医療物資が不足している湖北省には、これまでに全国各地の病院から2万人以上の医療関係者を派遣したほか、13日は軍の医療関係者1400人を新たに派遣し、国をあげて医療体制の拡充を図っています。

しかし、今後、企業などが業務を再開するのに伴って人の移動が増える見通しで、中国は感染拡大を抑え込めるかどうかを左右する重要な時期を迎えています。