新型ウイルス 感染拡大で緊急対応策まとめる 政府

新型ウイルス 感染拡大で緊急対応策まとめる 政府
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新型コロナウイルスの感染拡大で、政府は緊急対応策をまとめました。簡易検査キットやワクチンの開発促進などで予防と診断、それに治療法の確立を目指すとともに、中小企業の資金繰り支援で緊急の貸し付けなどを行うため、5000億円を確保することなどを盛り込んでいます。
政府は、今年度予算の予備費も活用する緊急対応策の第1弾をまとめました。検査体制を強化するため、国立感染症研究所に一度で判定できる検体の数を大幅に増やすシステムを整備し、全国に83ある地方衛生研究所でも迅速な検査を目指すとしています。

また治療体制を強化するため、国立国際医療研究センターなどで重症患者に対する治療法の開発を加速するほか、各都道府県に感染の疑いがある人を診察する外来の設置を要請し、必要な財政支援を行うとしています。

さらに簡易検査キットや抗ウイルス薬、それにワクチンなどの開発を民間企業とも連携して進め、予防と診断、治療法の確立を目指すとしています。

一方、中国人観光客の減少などによる経済へのリスクが懸念されていることから、観光業をはじめ、一時的に業績が悪化している中小企業に日本政策金融公庫などによる資金繰り支援を行い、緊急の貸し付けと保証を行うため5000億円を確保するとしています。

また中国からの部品調達の停滞などに対応するため、設備投資を行う事業者を優先的に支援することや、日中両国間の人の往来が減ったことで影響を受けた事業者を対象に、雇用調整助成金の支給要件を緩和することも盛り込んでいます。

このほかチャーター機で中国・武漢から帰国した人や集団感染が確認されたクルーズ船の乗員・乗客に対し、検査費用などは国が負担するなど健康管理に万全を期すために必要な支援を行うとしています。

政府は13日午後開く対策本部で正式に決定し、速やかに実施するとともに今後も必要な対応策を順次取りまとめることにしています。

研究開発には8億円

政府の緊急対応策で新型コロナウイルスに関する研究開発には、8億円余りが計上される見通しです。この中には簡易検査キット、治療薬、ワクチンの開発費用などとして合わせて4億6000万円が盛り込まれる見込みです。

また海外で治療効果があると報告されているエイズの発症を抑える薬について、効果や安全性を確かめる費用として3億円が計上される見込みです。