クルーズ船「乗員に手指の消毒を指導」学会調査チーム

クルーズ船「乗員に手指の消毒を指導」学会調査チーム
新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船について、11日から船内環境の調査を行っていた学会の調査チームの医師が船からおりたあとNHKの取材に応じ、「船内の予防対策に大きな問題はなかったが、乗員に手指の消毒などが不十分な部分があったため、指導を行った」と話しました。
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」では、いまも乗客や乗員およそ3600人がとどまっています。

感染症予防の専門医などで作る日本環境感染学会ではさらに感染が広がるのを防ぐため医師と看護師、合わせて4人の調査チームが11日から船内で調査を行っていました。

チームは12日夜、調査を終えて船からおり、責任者で岩手医科大学の櫻井滋教授がNHKの取材に応じました。

船内の様子について櫻井教授は「船長をはじめ乗員の多くが外国人で、日本の当局や私たちの指導が口頭ではかなり伝わりにくい状況だった」と指摘しました。

そのうえで「乗員はおおむねマニュアルに従って感染予防対策をとっていて、大きな問題はなかった。ただ、マスクに頼りすぎて、手や指の消毒が不十分な人が見られた。手にウイルスがついて感染を広げるという意識が足りていない部分があった」と話しました。

調査チームでは、乗員にイラストや映像などを見せながら徹底した消毒方法などを指導したということです。

櫻井教授は「クルーズ船内では患者の治療と同時並行で感染の拡大を防ぐ対策をとっていく必要がある。感染者を増やさないためにも学会として今後も継続して指導などの支援にあたっていきたい」と話していました。