マスク 品薄状態が続くのはなぜか

マスク 品薄状態が続くのはなぜか
新型コロナウイルスの感染が拡大し国内でもマスクの需要が大幅に増える中、マスクメーカー各社は増産の対応をとっていますが、注文の多さに対して供給が追いつかない状態が続いています。

注文の多さに供給が追いつかず

このうち、大手日用品メーカーのユニ・チャームは、マスクを生産している国内の複数の工場で24時間体制で増産を続けていますが、注文の多さに供給が追いついていないということです。

また、中国にある工場でも10日からマスクの生産を再開しましたが、従業員の健康状態を確認しながらの対応となり、どの程度の生産ができるかは分からないとしています。

医薬品メーカーの玉川衛材も、先週から中国 上海郊外にある工場でマスクの生産を再開しましたが、いつから日本向けに出荷できるかはまだ見通せないとしています。

王子ネピアは、国内の工場で従業員を増やして増産にあたっていますが、注文に対して供給が追いついていないということです。

各社は当面、増産体制を続ける方針ですが、感染の広がりや中国の工場の稼働状況などをみながらマスクの需要に対応したいとしています。

生産の7割は中国

経済産業省によりますと、国内のメーカーが販売するマスクのうち、中国で生産されているものは全体の7割程度にのぼり、国内産のマスクは3割程度だということです。

マスクメーカー各社は政府からの要請に基づいて国内の工場で24時間体制で増産にあたっていますが、急増する需要に対して供給が追いついていないのが現状です。

また中国の工場は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で十分な生産体制が整わず、物流にも影響が出ているため、日本向けにどれだけ出荷できるかは見通せていないということです。

政府はできるだけ多くの人にマスクが行き届くようドラッグストアなどでつくる団体に対し、特定の企業が過剰な発注をしたり買い占めたりしないよう協力を呼びかけています。

ドラッグストア 品薄状態が続く

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、ドラッグストアなどではマスクが品薄な状態が続いています。

このうち、東京 渋谷区など都内で5つの店舗を展開する「三千里薬品」は、1月後半から、まとまった数のマスクを仕入れることが難しくなっているということです。

また大手ドラッグストアチェーンでも、マスクを入荷してもすぐに売り切れる状態が続いているということで、1人が購入できる数を制限する動きも広がっています。

各社とも現時点でマスクが品薄な状況が解消する見通しは立っていないということですが、ある大手チェーンの担当者は「1つの店舗に大量にマスクを供給するのではなく、量は少なくても、できるだけ多くの店舗にマスクが行き渡るようにして、幅広い需要に対応したい」と話していました。

官房長官「備蓄の振り分けや増強の要請検討」

菅官房長官は午後の記者会見で、医療用のマスクについて、「厚生労働省で、各都道府県の備蓄状況の把握を進めているが、今後の医療現場での需要増加の見込みを踏まえて、各都道府県に対し、不足している感染症の医療機関へ備蓄分を振り分けることや、備蓄の増強の要請を検討している」と述べました。