ボルダリング 男子は原田海 女子は伊藤ふたばが優勝

スポーツクライミングの今シーズンの開幕戦となるボルダリングの日本一を決める大会が行われ、男子は20歳の原田海選手が初優勝、女子は17歳の伊藤ふたば選手が3年ぶり2回目の優勝を果たしました。
東京オリンピックの新競技、スポーツクライミングのうちさまざまなコースの壁を登った数で競うボルダリングのジャパンカップが東京・世田谷区で行われました。

男子はおととしのこの種目の世界選手権優勝の20歳の原田選手が決勝で4つの壁のうち2つを完登し、この大会、初優勝を果たしました。

東京オリンピックの代表に内定しているエースの楢崎智亜選手は2位でした。

女子では3年前のこの大会を中学2年で制した17歳の伊藤選手が決勝で4つの壁のうち3つを完登し、3年ぶり2回目の優勝を果たしました。

東京オリンピックの代表に内定している30歳の野口啓代選手は2位、去年の覇者の野中生萌選手は3位でした。

伊藤「今回は実力で優勝」

伊藤ふたば選手は長い手足を生かしたしなやかな登りで、3年前、14歳で初優勝し周囲を驚かせました。

17歳になった今回、2回目の優勝に「1回目はまぐれような感じだったが、今回は実力もつけて強くなって優勝できた」と胸を張りました。

勝負を分けたのは、傾斜の緩い壁で手足を使った連続した動きが求められる決勝、3つ目の壁でした。伊藤選手は「自分にとっては得意なタイプ。優位に立つにはここを登ることだと思った」と決勝に進んだ6人中、ただ1人、完登しました。

そして、優勝を確定させた4つ目の壁は2回失敗したあとに完登し、「自分を落ち着かせるために笑顔で登り始めた」と精神面のコントロールでも成長の跡を示しました。

伊藤選手は去年12月、フランスで行われたオリンピック予選で優勝したものの、国際競技団体と日本の競技団体の出場権をめぐる解釈が異なるためオリンピック代表の内定が得られておらず、先行きは不透明なままです。

それでも伊藤選手は「自分でどうこうできる問題ではないので、私は目標は変えずに調整していきたい」と前を向きました。

“皆勤賞”で最後の野口 「悔しい」

野口啓代選手は、この大会、2005年の第1回から第15回の今大会まですべての大会に出場する“皆勤賞”を果たし、優勝11回を数えます。

東京オリンピックでの現役引退を表明しているベテランは、惜しくも2位で有終の美を飾ることはできませんでした。特に決勝で唯一、最後まで登り切れなかった3つ目の壁は自身が苦手とする傾斜の緩い壁で、「いまだに登り方が分からない。ほかの登りがよかっただけに優勝できなくてめちゃめちゃ悔しい」と振り返りました。

集大成となる東京オリンピックに向けて「このあとも国内大会が続き4月からワールドカップも始まる。あと半年があっという間にすぎそうだ」と気を引き締めていました。

原田「有言実行となりうれしい」

混戦の男子を制した20歳の原田海選手は「優勝を狙っているとずっと言ってきたので有言実行となってうれしい」と笑顔を浮かべました。

おととしの世界選手権で優勝した原田選手は、去年のこの大会で直前に体調を崩して予選落ち。雪辱を果たしたいとことしにかけていました。

決勝で分岐点になったのは、2つ目の壁。「ほかの選手が登れていなかったので『これを登るしかない』と思った」と気合いを込め、1回目で完登し初優勝を引き寄せました。

東京オリンピックに向けては去年の世界選手権の結果によってオリンピック出場権を得たものの、国際競技団体と日本の競技団体の解釈が異なり代表の内定には至っていません。

精神面の強さに定評がある20歳は「もともとオリンピックが目標だったわけではない。目の前の大会に集中する姿勢は変わらない」と冷静に話していました。

楢崎「弱点分かったので克服を」

男子のエース、楢崎智亜選手にとってボルダリングは去年の世界選手権で制した最も得意な種目ですが、この大会では優勝経験がなく、ことしも日本一に届きませんでした。

それでも大会後は代表に内定している東京オリンピックへの収穫を強調し、「今大会を通じてホールドとホールドの間に挟まるような動きができなった。自分の弱点が分かったので克服できればよりオールラウンダーになれる」と前向きに話しました。