新型ウイルス 感染防止対策強化の高齢者施設では 千葉 八千代

新型ウイルス 感染防止対策強化の高齢者施設では 千葉 八千代
新型コロナウイルスの感染拡大をひときわ強く警戒しているのが高齢者が暮らす施設です。高齢者116人が入居する千葉県八千代市の特別養護老人ホームは今月3日に緊急の対策をまとめ、ウイルスを施設の中に持ち込ませないための対策を強化しています。
新たな対策では施設で働く職員に対し、海外への渡航を当面の間、自粛するよう求めたほか、職員151人とその家族を対象に海外への渡航歴を申告してもらい把握することにしています。

また、介護の現場では外国籍の職員が増えていて、この施設でもベトナム人の技能実習生やフィリピン、中国などの職員が合わせて10人働いていますが、このうち先月中旬から出身地の中国に帰省している職員については、帰省先に近い地域で感染が広がっていることから、来月帰国したあと、発熱などの症状がなくても2週間仕事を休ませて健康状態を観察するということです。

さらに、面会の家族などに対しては、施設の入り口に設けた洗面台で、手洗い、アルコール消毒、うがいを必ず行い、発熱などの症状があれば施設への立ち入りを控えるよう改めて呼びかけるなど対策を徹底しています。

施設に通っている86歳の女性は先週、インフルエンザに感染し、回復したばかりだということで「気をつけていても感染してしまうことがある。新型のウイルスも怖いです」と話していました。

一方、入居者の平均年齢は84歳で要介護度の高い人が多いほか、9割近くの人は認知症の症状があるため、手洗いなどの衛生管理に協力してもらうことが難しくなっているということです。

また施設では、万が一入居者の1人が感染した場合でもほかの入居者への感染拡大を防ぐため、食事の量や睡眠時間、排せつの回数について24時間記録するなど、日頃から行っている取り組みについてもわずかな健康状態の変化も見逃さないよう徹底することにしています。

津川康二施設長は「入居者は年々高齢化していて、90歳や100歳を超える人にとって感染症は命に関わる問題です。ウイルスが持ち込まれないよう最善の努力をしています」と話しています。

専門家「高齢者守るため今から備えを」

厚生労働省によりますと、高齢者には免疫力が低下し、糖尿病や心臓病などの持病がある人が多いため、インフルエンザなどの感染症が重症化するリスクが若い人よりも高いということです。

特に多くの高齢者が過ごす施設では、職員のほか、面会に来た家族や業者など施設に出入りする人が外からウイルスを持ち込んでしまうと次々に感染が広がってしまうおそれがあります。

新型コロナウイルスによる感染症についても中国で死亡した人の多くが高齢者だと報告され、感染症対策に詳しい東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は「中国のような大規模な流行が国内で起きる可能性は低い状況だが、国内でも今後さらに感染が広がる可能性はある。そうなるという前提に立って、感染症に弱い高齢者を守るために今から備えを進めておくことが重要だ」と指摘しています。