クルーズ船 運航会社社長「困難な状況」 客室待機には協力

クルーズ船 運航会社社長「困難な状況」 客室待機には協力
新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の運航会社のトップがNHKの取材に応じ、「乗客にとって理解しがたく、困難な状況だ」と述べたうえで、日本政府が、乗客に14日間にわたり客室での待機を求めている方針に協力する考えを示しました。
7日、都内でNHKの取材に応じたのは、現在、横浜港に停泊しているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の運航会社の社長、ジャン・スワーツ氏です。

新型コロナウイルスの集団感染が確認されたことを受けて、日本政府からの情報収集や、現場の指揮をとるため、急きょ、来日しました。

スワーツ氏は、乗客が客室での待機を求められていることについて「乗客にとって理解しがたく、困難な状況だ。忍耐強さに感謝したい」と述べ、船内で視聴できる映画を増やすなどの対応をとっているほか、感染についての情報を多言語に翻訳して提供する方針であることを明らかにしました。

また、6日から持病がある人などに、薬の配布を始めたということで、今後も乗客が必要としているものを把握し、できるかぎり支援していく考えを示しました。

一方、待機している一部の乗客が、船から離れたいとしていることについては「対応は日本政府が決めることだ」としたうえで、現状では、日本政府が求める14日間の客室での待機に協力する考えを示しました。

運航会社によりますと、クルーズ船の乗客と乗員の国籍は、今月1日の時点で56の国と地域にまたがるということで、このうち2600人余りの乗客の中で、日本が1281人と最も多く、続いてアメリカが416人、カナダが251人だとしています。