新型ウイルス 中国便の乗客全員に質問票 関西空港

新型ウイルス 中国便の乗客全員に質問票 関西空港
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、関西空港の検疫所では、これまで中国からの便で到着した乗客のうちせきや発熱がある人などに求めてきた武漢市への滞在歴などを尋ねる「質問票」の記入を、7日から中国からの便のすべての乗客に対象を広げました。
関西空港の検疫所では、今月1日から中国本土から到着した乗客専用のレーンを設置し、14日以内に湖北省に滞在歴がある人やせきや発熱のある人を対象に、武漢市への滞在歴などを尋ねる「質問票」への記入を求めてきました。

しかし、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、7日から対策を強化し、この「質問票」への記入を求める対象を中国からの便で到着した乗客全員に広げました。

質問票に変更はなく、14日以内に湖北省や武漢市に滞在したかや発熱やせきなどの症状がある人と接触があったか、それに感染した患者と接触があったかなどを聞く内容となっています。

空港の検疫エリアでは、検疫所の職員がサーモグラフィーの画面を見て発熱している人がいないか確認しながら、到着した1人1人から機内で記入した質問票を受け取り、体調に異常がないかなどを質問していました。

検疫エリアのすぐ横には、体調に異常がある人から話を聞く「健康相談室」がありますが、検疫所によりますと、今のところ1日数人程度の相談にとどまっているということです。

成田空港でも…

成田空港検疫所では7日から、中国・香港・マカオから到着する便のすべての利用者に、湖北省での滞在歴などを尋ねる質問票の配布を始め、提出を求めています。

質問票には、過去14日以内に湖北省での滞在や、発熱の症状がある人などとの接触があったかや体調に異常はあるかなど、7つの質問が記されています。

成田空港検疫所によりますと、1つでも該当する人は、検疫官が詳しく聞き取りを行い、医師などがウイルス検査の必要性があるか判断するということです。

成田空港検疫所は中国・香港・マカオからの旅客便を運航する航空会社18社に質問票を事前に渡し、機内などで配布するよう求めていて、「感染の拡大防止のため、厳格に対応していきたい」としています。

検疫所 人手不足で非常勤職員募集

成田空港検疫所では、新型コロナウイルスの水際対策の強化に伴って、客の誘導などにあたる職員が不足し、急きょ非常勤職員を募集するなど対応に追われています。

成田空港検疫所では、ふだん検疫課に所属するおよそ60人の職員が交代で、サーモグラフィーによる体温の確認などを行っています。

しかし、新型コロナウイルスの水際対策が強化されてからは、中国などからの到着客とほかの客をレーンごとに分けて対応する必要があり、別の部署などから応援を得て対応してきました。

しかし、それでも人手が足りない状態が続いているということで、急きょ非常勤職員を募集することにしたということです。

成田空港検疫所によりますと、SARSが流行した平成15年にも非常勤職員の募集を行ったということで、「万全の態勢で水際対策に当たりたい」としています。