トランプ大統領 一般教書演説での発言内容は

トランプ大統領 一般教書演説での発言内容は
アメリカのトランプ大統領が、この1年の施政方針を示す一般教書演説。
ことし11月の大統領選挙での再選を目指し、幅広い支持を集めようと内政や外交・安全保障で、みずからの実績を最大限アピールしました。
政権4年目となることしの演説のテーマは「偉大なアメリカの再起」。
トランプ大統領は「われわれはたった3年間でアメリカの衰退を打ち砕き、少し前には想像できなかった速度で前進している。決して後戻りすることはない」と訴えました。

さらにみずからの力で経済を復活させたとして好調な雇用環境を強調し、中国との貿易交渉で第1段階の合意に達したことをアピールしたほか、選挙で重要な争点となっている教育政策や医療保険制度の充実も打ち出して労働者層に訴えかけました。

外交・安全保障面では、過激派組織IS=イスラミックステートの指導者の死亡や、イランの革命防衛隊のソレイマニ司令官の殺害を成果だと強調したうえで、中東からアメリカ軍の撤退を目指す考えを示しました。

演説は、11月の大統領選挙での再選に向けて、内政や外交・安全保障でみずからの実績を最大限に国民にアピールしようという、内向きな姿勢が色濃く反映されたものとなりました。

こうした中、「ウクライナ疑惑」をめぐる弾劾裁判などで激しい対立が続く野党・民主党を、演説であからさまに批判することはありませんでしたが、「社会主義にアメリカの医療保険制度を破壊させない」と述べるなど、暗に批判する場面もありました。
民主党の一部の議員が、弾劾裁判が続いていることを理由に演説への出席をボイコットしたほか、演説の直後、民主党のペロシ下院議長がトランプ大統領の後ろで演説の原稿を破り捨てるなど、トランプ大統領との深刻な対立が随所で浮き彫りとなりました。

トランプ大統領の一般教書演説での主な発言をまとめました。

“偉大なアメリカの再起”

「3年前、偉大なアメリカの再起に向けた政策を立ち上げた。雇用と所得は増え、貧困と犯罪は減っている。自信がわいている。私たちの国は繁栄し、再び尊敬されるようになった。景気悪化の時期は終わった。われわれの国が他国からいいように使われ、軽蔑される日々は、過去のものとなった。守られない約束、雇用なき景気回復、使い古された決まり文句、この国の富や権力、名声が喪失していることへの言い訳も過去のものとなった。われわれはたった3年間でアメリカの衰退を打ち砕き、少し前には想像できなかった速度で前進している。決して後戻りすることはない。経済はかつてないほど好調で、軍は他国の追随を許さないレベルにまで、完全に復活した。家族は繁栄し、価値観も自信も回復し、この国の団結は、これまでにないほど強くなっている」
「私は大統領に就任した瞬間から職を奪う規制を壊し、歴史的で記録的な減税を行い、相互利益のある貿易のために闘った。この経済を立て直すため素早く行動した。これは、労働者、家族、成長、そしてなによりもアメリカ人のための行動だ」

「われわれは、手放しの楽観主義をもって突き進み、人種や、宗教、それに信条にかかわらず、国民の成長を後押しする」

「われわれは、輝かしく、壮大な遺産を引き継いでいる。アメリカ人は開拓者だ。あすを見渡すと、まだ開拓されていない広大なフロンティアが広がっている。アメリカの時代はまだ、始まったばかりだ。アメリカにとっての最高の日々はこれからやってくる」

経済 雇用 貿易

「失業率はこの半世紀で最も低くなり、3年間で、350万人が新たに仕事に就いた。また、アメリカの株価は70%上昇し12兆ドル以上の富をもたらした」
「私はアメリカの人たちに最悪なNAFTAを見直す約束をした。これまで、多くの政治家たちが見直しを約束していたのに何もしなかった。しかし、彼らとは違い、私は約束を守った」

「われわれは中国がアメリカの雇用を奪っていることに対抗するため、関税を課すと約束していたが、その戦略はうまくいき、先日、中国と画期的な新しい協定を結んだ。労働者を守り、知的財産を守り、数十億ドルをもたらし、アメリカ産品の巨大な市場を開拓するものだ」

イラン 中東和平案 そしてIS

「イランの革命防衛隊のソレイマニ司令官は冷酷で残忍な殺し屋で、イラクで数千ものアメリカ人を傷つけたモンスターだ。数え切れないほどの殺害を実行し、新たな攻撃も計画していたので私の指示を受けたアメリカ軍が彼を殺害し悪の支配を永久に葬った」
「イランは核兵器の開発や恐怖の拡散などはやめるべきだ。われわれの強力な制裁によってイランの経済は行き詰まっている。われわれは手をさしのべることはできるがプライドが高すぎるのか、それとも、愚かすぎるのか。どのような選択をするかは彼らしだいだ。われわれはアメリカの人の命を守るために中東での戦争を終わらせるために努力している」

「われわれは過激なテロリストと戦っている。先週、イスラエルとパレスチナの画期的な中東和平案を発表した。われわれはこれまでの試みがすべて失敗に終わったことを認識し、地域の安定化と若者のよりよい未来のために決意と創造性を発揮しなければならない」

「3年前には過激派組織IS=イスラミックステートがイラクとシリアの広大な地域を支配していたが、いまは100%滅亡された。そして、組織の指導者で血に飢えた殺人鬼、バグダディは死んだ」

軍事の増強

「アメリカの自由を守るために、私たちは米軍に2兆2000億ドルという記録的な投資をして、アメリカ製の最高の航空機やミサイルなどあらゆる軍事装備を購入した」
「NATOのメンバーから4000億ドル以上の貢献を引き出して応分の負担をさせた。そして、トルーマン大統領が空軍を設立して以来、新たな部隊を初めて創設した。それは宇宙軍という部隊だ」

医療保険制度

「私が大統領になる前には、医療保険料は5年で2倍になっていた。私は手ごろな代替手段を提供するべく行動した。患者が医療費の支払いで、不意打ちを食らうことがないよう、医療費の透明性を高めるよう命じた。私たちがアメリカの医療保険制度を改善しようとしているのに、国民から医療保険や医者を奪い、民間の医療保険を破壊したい人たちがいる。私たちは絶対に社会主義にアメリカの医療保険制度を破壊させない」

移民政策

「不法移民が無料で医療サービスを無制限に受けられることが公平なことだというのであれば極左の側につけばいい。しかし、アメリカの患者や高齢者を守るべきだと思うのであれば、不法移民のための無料の医療サービスを禁止する法案を通すために私とともに闘おう」

「南部の国境沿いの壁の建設はすでに160キロ分以上が完成し、来年の早い時期までに全長800キロにおよぶ壁の建設が完成する」
「私が大統領になる以前は、アメリカに不法に入国しようとする外国人が拘束されても、すぐに釈放されていたが、もうこのようなことは許されない。今後は、ルールを守り、経済的に自立していて、この国の価値観を尊重する人々を受け入れるために、無秩序になってしまった古い移民法を改正する」

教育政策

「包括的な社会を作るための次のステップは、すべての若者がすばらしい教育を受けてアメリカン・ドリームを実現できる機会を作ることだ。数え切れないほどの子どもたちがレベルの低い公立学校で苦しい思いをしてきた。どの親も、自分の子どもをレベルの低い学校に通わせたくはない。すべての若者が安心・安全な環境のもと学び、成長できるようにすべきだ。われわれは、年齢や生い立ちに関係なく国民が必要とする機会を作っていく」

女性 育児政策

「女性の失業率はこの70年ほどで最も低い水準になった。そして、去年、増加した雇用のうち72%が女性だった」

「私たちの目標はすべての赤ちゃんが成長できる機会が得られるようにすることだ。そのために、私は新生児の研究資金として5000万ドルの拠出と妊娠後期の中絶手術を禁止する法案を通すよう議会に求めている。共和党でも民主党でも無所属でも、すべての命は神からの神聖なたまものであると認めなければならない」

「最近、政府機関で働く母親や父親が育児休業が取得できるための法律に署名した。議会には、これを全米に広げてほしい」「質の高い育児のための資金が大幅に増額したことにより、17の州でより多くの子どもたちにサービスを提供できるようになり、待機児童も削減した」。

新型コロナウイルス対策

「アメリカの人の健康を守ることは感染病と闘うことでもある。われわれは新型コロナウイルスの発生について中国政府と連携している。われわれは、この脅威から国民を守るため、できるかぎりの措置をとる」