帰国者が滞在 千葉 勝浦の風評被害払拭へ 安倍首相

帰国者が滞在 千葉 勝浦の風評被害払拭へ 安倍首相
新型コロナウイルスによる感染拡大で安倍総理大臣は、衆議院予算委員会で、中国からチャーター機で帰国した人たちが、千葉県勝浦市に滞在していることについて「迷惑をかけていることは承知している」と述べたうえで、風評被害の払拭(ふっしょく)に向け、政府としても取り組む考えを示しました。
午後の審議で国民民主党は、チャーター機の第1便で中国から帰国した人たちの滞在先として、千葉県勝浦市のホテルが決まった経緯をただしたほか、市内の宿泊施設でキャンセルが出ているなどとして対応を求めました。

これに対し安倍総理大臣は「正直言ってほかの民間施設は、二の足を踏むかたがたくさんいたが、このホテルの社長は『日本人として、やらなければいけない』と大きな判断をされた」と述べました。

そのうえで「勝浦市やホテルに迷惑をかけていることは、十分に承知しており風評被害などの払拭に向けて、政府としてもしっかりと対応していきたい」と述べました。

また、安倍総理大臣は入国を拒否する対象地域を、中国 湖北省以外にも広げるかどうかについて「今、相当広い範囲でやっているが、今後もし必要であれば、国民の命と健康を守ることを最優先に、ちゅうちょなく判断したい」と述べました。

官房長官 「『1類感染症』には当てはまらない」

菅官房長官は午後の記者会見で、新型コロナウイルスによる感染症を感染症法で最も危険性が高い「1類感染症」に指定する可能性について、「『1類感染症』はエボラ出血熱のように総合的な観点から見て、危険性が極めて高い感染症であり、今般の感染症は、現時点でこれには当てはまらないと考えているが、厚生労働省で今後の状況を注視し、必要であれば専門家の意見を聞きながら検討していきたい」と述べました。

そして政府としてやるべき対策はちゅうちょなく実行するとしたうえで、「国民はかぜやインフルエンザ対策と同様に、咳エチケットや手洗いなどを励行するなど、落ち着いた行動をお願いしたい」と呼びかけました。

政府 13人の入国を許可せず

新型のコロナウイルスの感染拡大防止に向け、政府は入国申請前の14日以内に、中国 湖北省に滞在歴がある外国人や、湖北省で発行されたパスポートを所持する外国人は特段の事情がないかぎり、入国を拒否する措置を取っています。

出入国在留管理庁によりますと、措置を始めた今月1日から4日までに湖北省に滞在歴などがある22人から申請がありました。

このうち10人の入国を拒否したほか、3人はみずから申請を取り下げたということで、合わせて13人の入国を許可しませんでした。

残る9人は特段の事情が認められるとして、入国が許可されました。

公明 山口代表「早期に終息させる努力を」

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、公明党は5日、相談窓口の体制拡充や、地方自治体との連携強化などを政府に提言することになりました。

山口代表は会合で、「水際対策を徹底するなど、あらゆる手を尽くして、早期に終息させる努力を、政府・与党ともに行っていきたい。訪日する中国の人たちへの偏見があってはならず、差別的な言動がまん延しないよう冷静な対応を呼びかけていくのもわれわれの責務だ」と述べました。

国民 玉木代表「『新感染症』に認定を」

国民民主党の玉木代表は記者会見で、「新型コロナウイルスによる肺炎を、原因不明で危険性の高い病気、『新感染症』に認定し、より強制的な措置をとれるようにすべきだ。現行法で認定できないならば『新感染症』の定義を変える法改正も含めて党内で検討したい」と述べました。