クルーズ船 10人のウイルス感染を確認 加藤厚労相

クルーズ船 10人のウイルス感染を確認 加藤厚労相
加藤厚生労働大臣は、記者会見し、3日から横浜港沖に停泊しているクルーズ船で、発熱の症状が見られる人などに新型コロナウイルスの検査を行った結果、これまでに10人の感染が確認されたことを明らかにしました。
加藤厚生労働大臣は、新型コロナウイルスに感染していた香港の男性が乗船し、3日から横浜港沖に停泊しているクルーズ船、「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客・乗員への対応について5日午前、記者会見しました。

加藤大臣は、発熱などの症状があった人や、症状がある人と濃厚接触した人、合わせて273人から検体を採取し、ウイルス検査を行ったところ、これまでに10人の感染が確認され、神奈川県内の医療機関に搬送し入院させることを明らかにしました。

船内には、日本人のほか、香港や台湾を含む56の国と地域の人がいるということで、感染が確認された10人のうち3人は日本国籍だということです。

また、加藤大臣は、ほかの乗客・乗員は、ウイルスの潜伏期間を踏まえ、原則として14日間は引き続き船内に待機させると説明しました。

さらに高齢者や持病がある人は感染すると重症化する可能性が高いとして、追加でウイルスの検査を行う方針も示しました。

加藤大臣は、「乗員・乗客の健康状態に十分配慮し、それを最優先にしつつ、感染の拡大防止に向け万全の対策を講じていきたい」と述べました。

自民 政府に体制強化など提言へ

自民党は対策本部を開き、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、簡易検査キットの開発促進や観光業など中小企業への支援、それに、感染症対策のための法整備や体制強化などを、近く政府に提言することを確認しました。

岸田政務調査会長は「状況は日々刻々と変化しており、今後、影響が広がることが予想される。緊張感を持ちつつ冷静に政治の責任を果たしていきたい」と述べました。

野党4党「政府は万全の対策を」

立憲民主党など野党4党の国会対策委員長らが会談し、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、引き続き万全の対策をとるよう政府に求めることを確認しました。

立憲民主党の安住国会対策委員長は「クルーズ船の状況が一段落するか、感染者がある程度落ち着いてくるかしないかぎりは、加藤厚生労働大臣の委員会出席は配慮したい。厚生労働省には集中して対応にあたってもらいたい」と述べました。

日本維新の会の馬場幹事長は記者会見で「クルーズ船の中に2週間も朝から晩までいると精神的に影響があると思う。心理学の専門家を乗船させてケアに努めるなど対策を万全にしてほしい。また、観光業など経済的な損失を心配する人もいるが、影響があるからといって対策を緩めるべきではないし、感染者が滞在した場所などの情報も開示すべきだ」と述べました。