支援物資に中国で感謝の声 鑑真に贈った漢詩の引用も話題に

支援物資に中国で感謝の声 鑑真に贈った漢詩の引用も話題に
中国で新型のコロナウイルスの感染拡大が続く中、日本ではマスクなどを送る支援の輪が広がっていて、中国では感謝の声が相次いでいます。
中国国内では、新型のコロナウイルスの感染拡大によって医薬品やマスクなどの医療物資が十分に確保できていない状態が続いていて、日本では大分市が友好都市の湖北省武漢市に、秋田県由利本荘市が友好都市の江蘇省無錫市にマスクや防護服などを送り、支援の輪が広がっています。

このうち中国語の検定試験を日本で主催する東京の日本青少年育成協会は先月、湖北省を中心にマスク1万枚余りや体温計を送りました。

その際支援物資に天武天皇の孫、長屋王が中国の鑑真に贈った1000枚の「けさ」に刺しゅうされていたとされる漢詩の一部を書き込みました。

漢詩には「山や川、国土は異なろうとも風も月も同じ天の下でつながっている」という意味が込められているということで、この詩に心を動かされた鑑真が日本行きを決意し、のちに奈良市の唐招提寺を開いたと言われています。

日本青少年育成協会の林隆樹理事は「詩に込められた脈々と続く日本と中国の交流の思いを込め、場所が違っても同じ仲間だぞというよう気持ちを伝えたいと思いました」と話しています。

この団体では今週中にもマスク1万枚や体温計を再び送ることにしています。

中国版ツイッター、ウェイボー上では漢詩が書き込まれた支援物資の写真に対し、30万人を超える人たちが賛同していて、日本の取り組みに感謝する声が相次いでいます。