新型ウイルス感染拡大で医療機関もマスク不足

新型ウイルス感染拡大で医療機関もマスク不足
新型コロナウイルスの感染拡大でマスクが品薄の状態になる中、一部の医療機関では感染予防のためのマスクが入荷できなくなるなど影響が出ています。
東京・新宿区や立川市などで診療を行っているクリニックには、今月1日、取引先の医療用品の卸売り会社から「マスクや手指の消毒液などの感染予防商品が、全品在庫切れになっている」と書かれたファックスが届きました。

ファックスには仕入れ先からの供給のめどが立たず、今後の入荷予定も未定だとして先月31日以降に受け付けたマスクや消毒液の注文をすべて取り消しにすると記されていました。

このため、別の卸売り会社などにマスクを注文しようとしましたが、いずれも品切れだったということです。

このクリニックでは、院内感染を防ぐため、発熱やせきの症状がある患者にマスクを配付しているほか、看護師やスタッフも感染予防のためにマスクを着用しています。

現在、新宿のクリニックには450枚ほどのマスクの備蓄があるということですが、このままの状態が続けば今後2週間ほどですべてのマスクを使い終える見通しだということです。
「ナビタスクリニック」の久住英二医師は、「街の薬局からマスクが無くなるというニュースは目にしていたが、医療用品を扱う卸売り会社の在庫までこんなに早くなくなるとは予想していなかった。一般のマスクと医療用のマスクは少し違うので、医療機関の中にも大量に注文しているところがあるのだと思う。医療機関ですら感染予防のためのマスクが手に入らないというのは、非常に憂慮すべき事態だ」と話しています。