新型肺炎感染の男性が乗船していたクルーズ船 今夜 横浜港に

新型肺炎感染の男性が乗船していたクルーズ船 今夜 横浜港に
新型コロナウイルスへの感染が確認された香港の男性が乗船していた日本発着のクルーズ船が、周遊を終えて3日夜、横浜港に入港する予定です。厚生労働省は男性と接触した人の特定を進めるとともに、乗客の検疫など、水際対策を徹底することにしています。
香港の衛生当局によりますと、香港に住む80歳の男性が横浜から出港した日本発着のクルーズ船で帰国したあと、新型コロナウイルスへの感染が確認されました。

男性は先月17日に飛行機で東京に到着したあと、20日に横浜港からクルーズ船に乗船し、22日に鹿児島を経て、25日に香港で下船したということです。この男性が鹿児島で上陸したかはわからないということです。

男性は船に乗り込む前日の19日から、せきが出始め、帰国後の30日に発熱の症状が出たため、現地で検査を受け、今月1日に感染が確認されました。

運航会社によりますと、このクルーズ船は「ダイヤモンド・プリンセス」で、香港のあと、ベトナムや台湾に加え、今月1日には沖縄県の那覇港にも立ち寄ったということです。そして3日夜、横浜港に入港する予定です。

厚生労働省は船内で香港の男性と接触した人の特定を進めるとともに、乗客の検疫を行うなど、水際対策を徹底することにしています。厚生労働省によりますと、船内には発熱など体調不良の人もいるということです。

運航会社のホームページによりますと、クルーズ船の乗客の定員はおよそ2700人、乗組員は1100人ですが、今回の乗員乗客の人数は明らかになっていません。

沖合で停泊へ

横浜市によりますとクルーズ船の「ダイヤモンド・プリンセス」は3日午後7時半に横浜港にある大黒ふ頭の沖合で、いかりをおろして停泊するということです。

またその後、検疫を受けるということです。

クルーズ船の乗客「当局からの指示待ち」「混乱ない」

ツイッターには新型コロナウイルスへの感染が確認された、香港の男性が乗船していた「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客から到着予定が変更になったなどの投稿が見られます。

このうち「明日横浜着が今晩8時に着に変更になり、今晩から検疫が始まるみたいです」と投稿した乗客は「船内放送できょう20時ごろに東京湾内に到着して、検疫の人が乗船すると案内がありました。船内に発熱している人はおらず、当局からの指示を待っているとのことでした」と話していました。

この乗客が写した船内新聞の画像には国籍別の乗船者数が書かれています。

それによりますと日本1285人、香港470人、アメリカ425人、カナダ215人、イギリス40人、ロシア25人、台湾20人、イスラエル15人、ニュージーランド13人が乗船しているということです。

また別の乗客の30代の男性は食事の会場やラウンジなど、午後4時半ごろの船内の写真を投稿し、「コロナウイルスに感染した患者が出たことも知らされていないので混乱も何もないです」と記しています。

官房長官「適切に対応していく」

菅官房長官は午前の記者会見で、新型コロナウイルスへの感染が確認された香港の男性が乗船していたクルーズ船について、「今後、横浜港に入港予定であり、検疫法に基づいて検疫を行うなど適切に対応していく」と述べました。

チャーター機第4便「今週半ば以降の運用」

また中国の湖北省から希望する人を帰国させるチャーター機の第4便について、菅官房長官は「希望する邦人全員が帰国できるよう、あらゆる手段を尽くして調整を進めているが、中国側との調整やさまざまな準備の関係上、次のチャーター機の派遣は今週半ば以降の運用にならざるをえない」と述べました。

そのうえで中国籍の配偶者や家族の搭乗については「中国政府の方針を踏まえつつ、何ができるか、関係方面と調整を進めているところだ」と述べました。

一方1日から実施している、入国申請前の14日以内に中国・湖北省に滞在歴がある外国人などの入国を拒否する措置をめぐり、1日時点で、入国が拒否された外国人は5人に上ったことを明らかにしました。

厚労相「しっかり検疫などで対応」

加藤厚生労働大臣は衆議院予算委員会で、新型コロナウイルスへの感染が確認された香港の男性が乗船していた日本発着のクルーズ船について「船には新型コロナウイルスの症状かどうか別にして、熱があったり、ちょっと体調が悪いという方もいるので、横浜に入った段階で、しっかり検疫などで対応していきたい」と述べました。