としまえん 閉園検討 跡地に“ハリポタ”テーマパークの交渉も

としまえん 閉園検討 跡地に“ハリポタ”テーマパークの交渉も
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東京の遊園地で90年を超える歴史を持つ「としまえん」が段階的に閉園し、跡地に東京都の公園や、小説や映画が世界的に人気の「ハリー・ポッター」のテーマパークを整備する交渉が進められていることが関係者への取材で分かりました。
東京 練馬区にある「としまえん」は、22ヘクタールの敷地にアトラクションやプール、スケートリンクなどを備えた首都圏有数の規模の遊園地で、現在は西武グループが運営しています。

この「としまえん」について、西武グループが、段階的な閉園を検討していることが関係者への取材で分かりました。

跡地の大半は東京都が買収して、災害時の避難場所にもなる大規模な公園を整備するほか、残りの土地には、アメリカの企業グループの「ワーナー・ブラザース」が、小説や映画が世界的に人気の「ハリー・ポッター」のテーマパークを建設する交渉が関係者の間で進められています。

交渉は、ことし春までに成立する可能性があり、合意すれば、大正15年に開園し、東京郊外を代表する遊園地として親しまれてきた「としまえん」は、90年を超える歴史に幕を閉じることになります。

大正15年 「練馬城址 豊島園」として開園

「としまえん」は、大正15年、東京 練馬区に日本庭園などを備えた「練馬城址 豊島園」として開園しました。

第2次世界大戦中にいったん閉園しましたが、戦後まもなく営業を再開しました。
昭和30年代には屋内のスキー場、昭和40年代には、「流れるプール」と、世界で初めてとされる施設をつくったことでも知られています。
「としまえん」のホームページによりますと、現在は、乗り物のアトラクションのほか、大きく5種類のプールやウォータースライダー、スケートリンクや釣堀、それに動物と触れ合える施設や温泉施設などを備え、首都圏を代表する遊園地の一つとして知られています。

ハリー・ポッターとテーマパーク

「ハリー・ポッター」は、魔法使いの少年の冒険と成長を描いたイギリス人の作家、J・K・ローリングさんの世界的なベストセラー小説です。

映画も世界中で大ヒットし、2012年には、撮影セットを使ったテーマパークが、イギリスのロンドン郊外にオープンし、人気の観光スポットとなっています。

日本では、2014年に大阪のテーマパーク、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」が、年間の売り上げのおよそ半分にあたる450億円をかけて、「ハリー・ポッター」の世界を再現した施設をオープンしました。初日には、徹夜した人を含めておよそ3000人が列を作り、その後も高い人気を誇っています。

今回、「ワーナー・ブラザース」が「としまえん」の跡地に建設を検討している施設の概要は明らかになっていませんが、建設が実現すれば、地域の活性化につながる期待が高まりそうです。

国内の遊園地市場は二極化

日本の遊園地やテーマパークの市場は、資金力のある大規模な施設が成長を続ける一方、地方や中小規模の施設は閉鎖が相次いだり、業績が低迷したりと二極化が進んできた状況がうかがえます。

経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」によりますと、国内の主要な遊園地とテーマパークの売上高は、おととしには合わせて7113億円に上り、2000年の2985億円に比べて、およそ2.4倍に増えています。入場者の数も同じ期間に5592万人から7930万へとおよそ40%増加しています。

一方で、地方や中小の施設では、閉鎖が相次ぎ、入場者数が低迷している施設が多いのが実情です。

閉園が検討されている「としまえん」の入場者数は、1990年代には400万人を超えていましたが、2017年度は96万人、2018年度はやや持ち直しましたが、112万人となっています。

東京都の公園整備構想とは…

東京都が「としまえん」のある地域に公園を整備する構想は半世紀以上前までさかのぼります。

昭和32年、東京都は「としまえん」のある一帯を「練馬城址公園」として整備する都市計画を決定しましたが、その後、具体的な動きはみられませんでした。

しかし平成23年に起きた東日本大震災で、帰宅困難者や地域の住民が避難する場所の確保が課題となりました。

そこで東京都は「としまえん」の一帯を防災機能を備えた都立公園の「練馬城址公園」として整備する方針を打ち出しました。

具体的には「としまえん」を中心としたおよそ22ヘクタールを新年度=令和2年度までに優先的に事業を進める予定の「優先整備区域」に設定したうえで、西武グループなどと用地の買収を含めて協議を進めてきました。

小池知事「まだ交渉段階」

「としまえん」が段階的に閉園し、跡地に東京都の公園や「ハリー・ポッター」のテーマパークを整備する交渉が進められていることについて、東京都の小池知事は都庁で記者団に対し「『としまえん』はもともと災害の防災拠点でもあり、そこをうまく活用すると聞いている」と述べました。

そのうえで、記者団が都が西武グループなどと交渉しているのかと質問したのに対し、小池知事は「まだ交渉の段階だと思う」と述べました。

地元住民 反応はさまざま

東京 練馬区にある「としまえん」が段階的に閉園し、跡地に東京都の公園や「ハリー・ポッター」のテーマパークを整備する交渉が進められていることについて、地元の住民からは驚きや期待の声があがっています。

練馬区に住む女性は「年間パスを購入していて5歳の子どもと時間を見つけてはよく遊びにきています。閉園するかもしれないという情報に驚きました。私にとっては身近で温かく、家族とも、友達とも気軽に来ることができる遊園地で、無くなるのは寂しいです」と話していました。

また2人の子どもを連れた30代の男性は「きょうのニュースを聞いて閉園しないうちにと思い、子どもを連れて来ました。私が子どもの時は県外に住んでいましたが、東京に住む親族と毎年、プールに遊びに来ていました。レトロだけど小さい子どもにとっては楽しい所だと思います。もし新しい施設ができるのなら、期待したいです」と話していました。

「としまえん」の周辺の商店でつくる商店会の会長の澤田豊彦さん(79)は、父親と息子との3代でおよそ70年にわたって寿司店を営んでいます。

商店会には、かつては90店舗が加盟していましたが、今は20店舗ほどに減少し、店を訪れる観光客も減っているということです。

澤田さんは「昔はビアホールがあって、サーカスや花火大会があって多くの人でにぎわっていました。私も、私の子どもたちもよく通っていました。としまえんの周辺の商店でも店を閉める人が多くなってきているので、としまえんが閉園し、新しい施設ができれば、昔のように街に活気が戻るのではないかと期待しています」と話していました。