新型肺炎 公表前にSNS発信した医師の処分に批判の声 中国

新型肺炎 公表前にSNS発信した医師の処分に批判の声 中国
中国の湖北省武漢市の医師が新型のコロナウイルスによる肺炎の患者が出たことが公表される前にSNS上で情報を発信したとして、警察当局から処分を受けていたことが分かり、ネット上では医師を擁護し当局の対応を批判する声が高まっています。
中国のメディア「財新」が31日伝えたところによりますと、34歳の男性医師は去年12月30日に武漢市内の海鮮市場で7人から2003年に流行した新型肺炎「SARS」の陽性反応が出たことを知り、医師などおよそ150人が参加するSNSのグループチャットにこの情報を投稿したということです。

当時、武漢市では肺炎患者の発生について公表されていなかったことから、この医師は病院から事情を聞かれた後、警察当局に呼び出され「事実でない情報を広め社会秩序を乱した」として訓戒処分を受けました。

医師は取材に対し「情報はデマではなく警鐘を鳴らそうとしただけで、社会にパニックを起こそうという考えは全くなかった」と反発しています。

医師がとった行動についてネット上では「公共の危機を勇敢に暴き出した」などと擁護する書き込みが相次いでいて、警察当局を批判する声が高まっています。

武漢の警察当局は先月初旬、感染拡大に関するネット上の書き込みを理由に「デマを流した」として市民8人を摘発したと発表しています。