チャーター機第3便 日本人149人到着 25人入院

チャーター機第3便 日本人149人到着 25人入院
中国の湖北省武漢での新型のコロナウイルスの感染の拡大を受けて、現地から帰国する日本人を乗せたチャーター機の第3便は、31日午前、羽田空港に到着しました。25人にせきや発熱などの症状が見られ、医療機関に入院したということです。
中国の湖北省武漢を中心に新型のコロナウイルスの感染が拡大するなか、帰国を希望する日本人149人を乗せた、政府のチャーター機の第3便が、31日午前10時20分ごろに羽田空港に到着しました。

厚生労働省によりますと、機内で医師が診察した結果、10人にせきや発熱などの症状が見られ、医療機関に入院したということです。

また、ほかの人も政府が用意したバスで別の医療機関に移動して改めて医師の診察を受けた結果、15人に同様の症状が見られ、いずれも入院する予定だということです。

症状が見られなかった人たちは、埼玉県や千葉県にある宿泊施設に移動しました。

厚生労働省は、チャーター機で帰国した人について、ウイルス検査の結果が陰性となった場合も今後、症状が現れる可能性が否定できないことなどから、引き続き最大2週間、政府が確保した宿泊施設に滞在するよう求めていくことにしています。

滞在用に民間フェリー 東京湾に派遣決定 防衛省

新型のコロナウイルスの感染が広がる中国・武漢から政府のチャーター機で帰国する人たちの滞在先として、防衛省は自衛隊の部隊の輸送などのために契約している民間フェリーを東京湾に派遣することを決めました。

派遣されるのは兵庫県の相生港が拠点の民間フェリー「はくおう」(約1万7000トン)で、防衛省が自衛隊の部隊の輸送などのために契約しています。

このフェリーについて防衛省は、今後政府のチャーター機で武漢から帰国する人たちの滞在先として活用できるよう、東京湾に派遣することを決めました。

フェリーにはおよそ100人が滞在できるということで、31日午後に相生港を出港し、1日には東京湾に到着する予定だということです。

その後、港に船を接岸させて、受け入れ態勢を整えることにしています。

このフェリーはおととしの西日本豪雨や北海道の地震で、被災者の入浴施設として使われたことがあります。

加藤厚労相「帰国時に症状なくてもフォローを」

加藤厚生労働大臣は記者団に対し、日本国内で30日に症状のない人の感染が確認されたことについて「中国全便からの帰国者に武漢の滞在歴などを聞く質問票を配るべく対応している。その段階では無症状でも、日本国内に入ったあとはしっかりとフォローアップができる仕組みを立ち上げ、都道府県とも連携をとりながら対策をしっかりとっていきたい」と述べました。

国内で感染確認 これまでに14人

国内で新型コロナウイルスへの感染が確認された人はこれまでに14人います。

このうち今月16日、最初に感染が確認された神奈川県に住む30代の中国人男性は、肺炎で入院していましたが回復し、その後、退院しています。

中国・武漢在住で旅行で日本を訪れ、発熱などの症状が出て今月24日から28日までに感染が確認され入院している男女5人は、いずれも症状は安定または改善しているということです。

武漢からの観光客を乗せたバスの運転手の男性とガイドの女性も入院中ですが、症状は安定しています。

今月29日以降、政府が用意したチャーター機で帰国した日本人では、これまでに発熱などの症状が出ている人が1人、症状がない人が2人いて、いずれも入院しています。

このほか30日に感染が確認された三重県の外国籍の男性と湖南省在住の女性は、発熱などの症状があり入院しています。

京都に住む中国人留学生も感染が確認されました。