風疹対策強化 企業に要請へ 五輪・パラ前に 厚労省

風疹対策強化 企業に要請へ 五輪・パラ前に 厚労省
東京オリンピック・パラリンピックを目前に、風疹の拡大を防ぐための抗体検査やワクチン接種が急務となる中、厚生労働省は経団連に加盟するおよそ1400の大企業などに対し、社内で風疹対策の担当者を新たに設けたり定期健診に抗体検査を導入したりするなど対策を強化するよう要請することになりました。
風疹はウイルスによって引き起こされる感染症で、妊婦が感染すると生まれてくる子どもの心臓や目、耳などに「先天性風疹症候群」と呼ばれる障害が出ることがあり、この10年間で合わせて51人が報告されています。

去年の風疹の感染者は2306人に上り、今も患者の発生が続いていて、厚生労働省は定期接種を受ける機会が無かった40歳から57歳までの男性について、無料のクーポン券を配布するなどして抗体検査やワクチン接種を促してきました。

厚生労働省は東京オリンピック・パラリンピックに向けて、ことし7月までに480万人に抗体検査を実施するという目標を掲げていますが、クーポンの利用が伸び悩み、去年11月末までに実施したのは109万人にとどまっています。

こうした中、厚生労働省は職場で抗体検査の受診などを促してもらおうと、経団連に加盟するおよそ1400社の大企業などに対策の強化を要請することになりました。

具体的には大企業などに対し、社内に風疹対策の担当者を設けたうえで、定期健診の際に風疹の抗体検査を実施し、検査を受けた人数を厚生労働省へ報告することなどを求めています。

このほか、中小企業や自営業者などへのアプローチも必要だとして、厚生労働省は都道府県などに対しても、受診者に抗体検査を案内するよう依頼することにしています。

専門家「企業の感染症対策重要」

医療政策に詳しい帝京大学大学院の福田吉治教授は「健康診断に組み込めば知らず知らずのうちに抗体検査が受けられ、受診率を高めるためには大切な取り組みだと思う。働き盛りの世代は行政からの情報が届きにくいので、職場での働きかけが必要だ」と指摘しています。

そのうえで「今後、オリンピックやパラリンピックに向けて海外から多くの人が来日して感染症のリスクは高まる。また、新型コロナウイルスも含めて、企業の感染症対策が重要になっているので、今回をきっかけに活動を強化してほしい」と話しています。