武漢 病院待合室に患者詰めかける様子 投稿動画

武漢 病院待合室に患者詰めかける様子 投稿動画
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中国では、新型のコロナウイルスの感染を抑え込もうと、感染拡大が最も深刻な湖北省の武漢を事実上封鎖するなどして、治療態勢と予防対策の拡充に努めていますが、現地から寄せられる情報からは患者やその家族への支援が行き届いていない実態もうかがえます。
中国の医療現場では、患者の増加に対応が追いつかない状況が続いているとみられ、現地で取材活動をしている中国人の男性が29日、撮影してSNS上に投稿した動画では、武漢にある病院の待合室に大勢の患者が詰めかけている様子が確認できます。
映像には、防護服を着た女性の医療関係者が、みずからもせきが出ているのに診察をしてもらえないと訴えて、取り乱している様子も写されています。

またSNS上には、母親が病院で亡くなったうえに、みずからも熱があるものの、入院して治療を受けられず、助けを求める武漢の女性の書き込みなど、窮状を訴える情報が相次いで寄せられています。

こうした情報は、中国のSNS上で転送できないように遮断されており、国をあげて対応にあたっていることをアピールしたい当局が、一部の市民の厳しい現状を知られないよう情報統制を強化しているとみられます。
中国の保健当局によりますと、新型のコロナウイルスによる肺炎の患者は29日、さらに1737人増えて7711人になり、死亡した人は170人となっています。

また、中国以外で確認された患者は、これまでに21の国と地域で100人を超えていて感染の拡大を受けて、WHO=世界保健機関は30日、2回目となる専門家の緊急の委員会を開催する予定です。

感染拡大が最も深刻な中国の湖北省では28日、発熱などを訴えて病院で診察を受けた人が、およそ3万2000人に上るなど、医療態勢の拡充が喫緊の課題になっていて、武漢では来月初めの完成をめざして2つの専門病院の建設が急ピッチで進められているほか、全国から6000人の医療関係者が湖北省に派遣されています。