新型肺炎「疑似症サーベイランス」対象者の範囲を拡大へ

新型肺炎「疑似症サーベイランス」対象者の範囲を拡大へ
厚生労働省は新型コロナウイルスの感染状況を把握するため、「疑似症サーベイランス」と呼ばれる報告や検査の制度を設けていますが、制度の対象に含まれない人の感染が相次いで確認されています。
「疑似症サーベイランス」の対象は、これまで、武漢への渡航歴があったり武漢の肺炎患者と接触したことがあったりする人で発熱や肺炎の症状が見られる人となっていて、このような患者が医療機関にかかった場合、保健所への報告を求めるとともに、検体を採取してウイルス検査を実施しています。

しかし、28日感染が確認された奈良のバス運転手の男性と29日確認された大阪のガイドの女性は、武漢への渡航歴がなく、肺炎の症状がある患者との接触もなかったため、制度上、報告や検査の対象から外れていました。

このため厚生労働省は、今の制度のままでは、感染者を十分に把握できないとして、対象者の範囲を拡大することになりました。

今は、条件の1つに武漢から来た肺炎患者との接触歴があり発熱や肺炎の症状が出た人となっていますが、今後は、奈良の男性運転手や大阪のガイドの女性などのように、武漢から来た人に例え症状がなくても、接触歴があって発熱や肺炎の症状が出た人も含めていくことにしています。

一方、チャーター機から帰国した2人のように、武漢の渡航歴があっても症状が全く出ていない人までウイルス検査を行うかどうかついては、「どこまで広げるべきか検討が必要だ」としています。