新型肺炎 中国の死者170人 患者数は7711人に

新型肺炎 中国の死者170人 患者数は7711人に
中国では新型のコロナウイルスの感染がさらに拡大し、中国の保健当局は患者が、29日、さらに1737人増え、7711人になり、死亡した人は170人になったと発表しました。
WHO=世界保健機関は、2回目となる緊急の委員会を30日に開催し、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」にあたるかどうか、改めて対応を協議します。

中国の保健当局、国家衛生健康委員会は、新型のコロナウイルスによる肺炎の患者が、29日、さらに1737人増え、7711人になったと発表しました。

29日はチベット自治区で初めての患者が確認され、これで中国のすべての省と自治区、それに直轄市で患者が確認されました。患者のうち症状の重い人は1370人にのぼっているということです。

一方、死亡した人の数は、29日、38人増えてあわせて170人になりました。

感染者は中国以外にも広がり、これまでに19の国と地域で100人を超す人が感染しています。

中国の疾病予防センターの幹部は、新型のコロナウイルスについて国営メディアの取材に対して「代替わりして増える間隔が短く感染者が増える速度が速い」と述べ、2003年に流行した新型肺炎「SARS」と比べて患者が増加するペースが速いと指摘しています。

感染の拡大を受けて、WHOは、2回目となる専門家の緊急の委員会を、30日に、スイス・ジュネーブの本部で開催することになりました。

WHOのテドロス事務局長は「中国国外でもヒトからヒトへの感染が確認されたケースが増えていることを懸念している」と述べ、日本やベトナム、ドイツでヒトからヒトへの感染が確認されたことなどが理由だとしています。

テドロス事務局長は今週、中国を訪れ、習近平国家主席らと会談し現在の状況を確認していて、今回の委員会では事態の変化を踏まえて「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」にあたるかどうか改めて対応を協議することにしています。

「武漢と周辺 医療物資不足」

新型コロナウイルスの感染が最も深刻な地域の湖北省の王暁東省長は29日夜、記者会見を開き「医療物資の確保が十分に行えていない。武漢だけではなく、周辺の都市も不足していて、省内のすべての地域で著しく医療物資が不足している」と述べ、厳しい現状を明らかにしました。

また、武漢以外の周辺の都市も感染が広がり、特に隣接する黄岡については事態が深刻だとしたうえで、「感染者と感染が疑われる人の数が合わせて1000人を超えており、われわれは黄岡を第2の武漢には絶対にしてはならない」と述べ、対策に力を入れる考えを示しました。