武漢の日本人留学生「不安で大泣きした」帰国に期待

武漢の日本人留学生「不安で大泣きした」帰国に期待
新型のコロナウイルスの感染が拡大する中、中国 湖北省武漢から日本人を乗せたチャーター機が29日朝、羽田空港に到着した一方で、帰国の見通しがたっていない日本人留学生からは1日も早い帰国を望む声が聞かれました。
山口県の大学から武漢の大学へ留学している20歳の女子留学生は1月22日、武漢から600キロ余り離れた湖北省の中国人の友人の実家を訪れていたところ、感染拡大を防ぐための厳しい移動制限で武漢に戻れなくなりました。

この留学生はいまも友人の実家に身を寄せていて、NHKの電話インタビューに対し、「湖北省から出られなくなったと聞いたときは、いつ帰れるかわからず、すごく不安で大泣きした」と当時の心境を振り返りました。

そして、北京の日本大使館と電話で連絡を取っているとしたうえで、「まちが封鎖された直後よりは、武漢にチャーター便が来るなどの動きが出てきたので、そういう意味ではまだ安心できる。帰国の兆しとまでいえるかどうかわからないが、先行きが見えるようになった」と1日も早い帰国に期待を寄せていました。

女子留学生によりますと、滞在先では新型のコロナウイルスに感染したという話は聞かないものの、車や人通りは極端に少なく、マスクも不足し始めているということで、女子留学生は「状況が状況なので、思い詰めるよりも本当に待つしかない」と話していました。

武漢から岡山への留学生 「感染終息を信じる」

岡山県内の大学に留学している23歳の男子学生はスマートフォンのテレビ電話で中国 武漢にいる父親と会話しました。

この中で父親は現在の武漢の様子について「街は閑散としている。政府の呼びかけで、家からは出ておらず、自分の体調を定期的に会社の同僚どうしで報告しあっている」と説明しました。

また現地の医療態勢については「新しい病院ができて患者の受け入れが始まった」としたうえで、「日本からのマスクなどの支援の動きは中国でも報道されていて、とてもありがたい」と話していました。

2人は毎日、連絡を取り合い「消毒やマスクで感染を予防するように」などとメッセージを送り合っているということです。

男子学生は「春休みに武漢に帰る予定だったが、帰らないことに決めた。両親や友人のことが心配だが、感染が終息することを信じている」と話していました。