新型肺炎 中国 営業休止など相次ぐ 自動車メーカーに影響も

新型肺炎 中国 営業休止など相次ぐ 自動車メーカーに影響も
新型のコロナウイルスの感染拡大の影響で、中国では大手の飲食チェーンなどでも、臨時に店舗を休業する動きが相次いでいます。
このうち、アメリカの大手コーヒーチェーン、スターバックスは28日に行った決算会見の中で、中国全土にあるおよそ4300の店舗のうち、半数以上の営業を見合わせていることを明らかにしました。

北京市内の商業施設にあるスターバックスの店舗には人けは全くなく、入り口のガラス戸に「病気の発生を抑えるため、しばらく営業を見合わせます」という通知が貼られていました。

また、中国でおよそ600店舗を展開する大手の火鍋のチェーン店も、中国国内のすべての店舗で1月末まで営業を取りやめているほか、旧正月、春節の連休中も24時間営業をする予定だった大手のレストランチェーンでも臨時に休業するところが出ています。

中国の春節の連休は消費が最も盛り上がる時期で、去年は期間中の小売業や飲食業の売り上げが1兆元余り日本円でおよそ16兆円にのぼりましたが、ことしは新型のコロナウイルスの感染拡大が消費にも影を落としています。

ユニクロや良品計画 湖北省中心に営業中止

大手衣料品チェーンのファーストリテイリングは、新型のコロナウイルスの感染者の多い武漢市がある中国・湖北省を中心におよそ130店舗の営業を休止しています。

会社では、武漢で公共交通機関の運行が停止され、従業員の出勤が難しいことなどから、今月23日から武漢にあるユニクロの17店舗の営業を休止していました。

その後、地元の政府からの要請で商業施設全体が休業するところも出るなどしたため、こうした施設に入っている店舗を中心に、営業を休止することにしたとしています。

ファーストリテイリングは中国で750の店舗を展開していて、営業休止の店舗は全体の17%になります。

また、中国で265店舗を展開している「良品計画」も、地元の政府からの要請などがあり、湖北省を中心に43店舗の営業を休止しています。

トヨタ 中国工場の操業再開を延期

トヨタ自動車は、現在操業を停止している中国国内の4つの都市にある工場について、操業の再開を当初の2月上旬から2月10日以降に延期することを決めました。

トヨタは中国で、天津、広州、成都、長春の合わせて4つの都市で現地メーカーとの合弁で完成車を生産していて、現在は春節にあわせた連休で、いずれも操業を停止しています。

2月4日までに、これらの工場すべてで操業を再開する予定でしたが、新型のコロナウイルスの感染拡大を受けて、再開を10日以降に延期することを決めました。トヨタは感染拡大の状況などを見ながら、再開の時期を判断するとしています。

世界最大の自動車市場である中国で、トヨタは去年、初めて日本市場を上回る162万台余りを販売しました。工場の操業停止が長引けば、今後の業績や部品メーカーなどにも影響が及ぶことが懸念されます。

自動車メーカー各社 業績に影響も

中国は世界最大の自動車市場で、感染拡大の影響が長引けば、日本の自動車や部品メーカーの業績にも影響が避けられないことになります。

国際自動車工業連合会によりますと、2018年の世界の自動車の販売台数9500万台余りのうち、中国は2800万台余りと、全体のおよそ3割を占め、世界最大の市場となっています。

日本の自動車メーカー各社は、武漢や広州、それに天津などに工場を置いて、現地向けの車やトラックを生産していて、日本メーカー各社の2018年の中国での販売台数は500万台余りと、日本の国内市場に匹敵する規模になっています。

このため各社は、感染拡大の状況を慎重に見守り、生産再開の時期を判断する見込みです。