武漢の邦人200人余帰国 12人が入院 2人が肺炎と診断

武漢の邦人200人余帰国 12人が入院 2人が肺炎と診断
新型コロナウイルスの感染が拡大する中国 湖北省武漢から、200人余りの日本人を乗せた最初のチャーター機がけさ羽田空港に到着しました。厚生労働省や東京都によりますと12人が入院しこのうち2人が肺炎と診断されたということで、厚生労働省は新型コロナウイルスに感染していないか調べています。
中国の湖北省武漢を中心に新型のコロナウイルスの感染が拡大する中、政府はチャーター機を手配して、現地に滞在する日本人の希望者およそ650人全員を順次、帰国させることにしています。

その最初のチャーター機が28日夜、羽田空港を飛び立ち、29日午前0時半ごろ、武漢に到着しました。そして、午前8時40分すぎに羽田空港に戻りました。

この便には現地から206人が乗って帰国し、東京都によりますと、発熱やせきなどの症状を訴えた30代から50代の男女5人が都内の病院に搬送されました。

そして検査の結果、40代と50代の男性2人が肺炎と診断されたということです。

搬送された5人はいずれも入院し、新型コロナウイルスに感染しているかどうかの検査を受けています。

また、それ以外の人のうち同意の得られた199人が東京 新宿区にある国立国際医療研究センターでほかの患者と離れた場所で医師の診察や検査を受けました。

その結果、8人に発熱やせき、それに頭痛などの症状が認められ、このうち7人が入院したということです。

このためチャーター機の帰国者では合わせて12人が入院しました。

そのほかの人たちのほとんどは、国が用意した宿泊施設に滞在しています。

厚生労働省は検査のあと、少なくとも1週間は外出を控え、その後の1週間も不要な外出は控えるよう求めています。

厚生労働省はチャーター機で帰国した全員について新型コロナウイルスに感染していないか調べています。
政府は、第1便のチャーター機で帰国した206人の内訳を発表し、206人のうち男性が185人、女性が21人で、年齢は12歳以下の子どもが4人、60歳以上が9人で、このうち65歳以上は1人でした。

帰国者には3つの選択肢提示

関係者によりますと、国は帰国した日本人に対し、東京 新宿区の国立国際医療研究センターでのウイルス検査の結果が出るまでの間の措置として、3つの選択肢を示して意向を確認しているということです。

1つ目の選択肢は、東京やその近郊に住む人に対し、政府が用意したバスによって自宅の最寄り駅まで途中でどこかに立ち寄ることなく帰り、その後は外出を控えて自宅で待機すること。

2つ目は、家族や勤務先の車によって途中でどこかに立ち寄ることなく自宅に帰り、その後は外出を控えて自宅で待機すること。

3つ目は、政府が用意したバスによって国立国際医療研究センターから千葉県勝浦市内のホテルに移動し、ホテルの部屋で待機することとなっています。

小池都知事 帰国者の一時滞在用宿泊施設の確保を

東京都は29日午後、幹部職員を集めた危機管理対策会議を開き、小池知事は「都民に対するさまざまな対策を進めていくとともに、帰国者のための宿泊施設の確保の検討など、できるだけの対策を行っていく」と述べ、ホテルの業界団体などと連携して、帰国した人が一時的に滞在できる宿泊施設の確保を進める考えを示しました。

また会議では、新型コロナウイルスについて、感染の予防や心配な症状があらわれたときの対応など、不安を感じている都民からの相談に応じるため、コールセンターを開設する準備を進めていることが報告されました。

このほか、小池知事は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、来月2日から7日までの日程で予定していたアメリカへの出張を延期することを明らかにしました。

厚労省 「健康フォローアップセンター」設置

厚生労働省は帰国者の健康状態を定期的に確認する「健康フォローアップセンター」を設置しました。

センターでは、厚生労働省の職員がチャーター機で帰国した人たちの健康状態について、症状がある人は毎日、症状がない人は3日ごとに電話やメールで確認します。こうした健康フォローはおよそ2週間行います。

また今後はチャーター機の帰国者だけでなく、武漢市やその周辺に滞在歴がある入国者についても、必要に応じて定期的に電話やメールなどで健康状態を確認する方向で検討を進めています。