新型肺炎 ネットを通じ中国からマスク注文急増 品薄状態

新型肺炎 ネットを通じ中国からマスク注文急増 品薄状態
新型のコロナウイルスの感染が拡大していることを受けて、中国の消費者がネットを通じて日本の商品を買う、いわゆる「越境EC」を手がける会社では、マスクなどの注文が急増し、品薄の状態となっています。
中国の消費者に向けて化粧品や日用品などをネットを通じて販売している会社では新型コロナウイルスの感染が拡大していることを受けて、今月20日からマスクの注文が増えています。

前の月の同じ時期と比べて売り上げがおよそ300倍から600倍に達する日が続き、千葉県松戸市にある物流施設では28日も中国への商品の発送作業に追われていました。

マスクは、1回に大量に購入するケースが多く、武漢がある湖北省や海南省などからの注文が相次いでいるということです。

このため会社ではメーカー側に商品の納入を増やしてもらえるよう要請していますが需要の増加に追いつかず、サイト上で売り切れの表示が出るなど、品薄の状態が続いています。

マスクのほかにも抗菌シートやハンドソープといった商品の注文も増えているということです。

インアゴーラの津田茂寿執行役員は「できるかぎり手を尽くして商品を集めている状況です。中国の方たちが緊急事態なので日本の高品質な商品をいち早く届けられるよう全力を尽くしたい」と話していました。

マスク 例年の8倍の売れ行き 福岡

福岡県内のドラッグストアにはマスクなどを買い求める多くの客が訪れています。

このうち、JR博多駅近くにあるドラッグストアでは、マスクや消毒液といった感染を防ぐための商品を買い求める中国人の観光客や留学生の姿が目立っています。

この店によりますと、マスクの販売は、例年のこの時期に比べて8倍の量が売れていて、店では、先週の金曜日から「1種類3つまで」と制限を設けたということです。

特に、箱入りの製品や、「日本製」、「ウイルス99%カット」などと書かれたマスクが売れていて朝、店頭に並べてもすぐに売り切れてしまうということです。

また、マスクに吹きかけて使う消毒液も先週から売り上げが伸びています。

ふだんは1週間に1つか2つ売れる程度ですが、いまは店頭に並ぶとすぐに売り切れてしまう商品もあるということです。

ドラッグストアの担当者は「観光客の方々が一気に買っていってしまいすぐに無くなるので、日本の方も買えるようマスクの数には制限をかけました。いまは花粉のシーズンも近づいて日本でもニーズがあり、欠品が多く困っています」と話していました。

箱入りのマスクを3箱買った中国人留学生は、「中国にいる家族に送るためにマスクを買いました。この店で4軒目ですが、なかなか売っておらず周辺の店を回っていました」と話していました。