中国 武漢の日本企業 社員や家族の帰国に向け対応急ぐ

中国 武漢の日本企業 社員や家族の帰国に向け対応急ぐ
中国で新型のコロナウイルスの感染が拡大する中、現地に滞在する日本人をチャーター機などで帰国させる政府の方針を受けて、現地に拠点を置く日本企業は社員や家族の帰国に向けた対応を急いでいます。一方、影響の長期化が懸念されるとして春節の大型連休のあとに営業や操業の再開が予定どおりできるかどうかが焦点となっています。
武漢は中国有数の自動車産業の都市で、ジェトロ=日本貿易振興機構によりますと、武漢とその周辺にはおよそ160の日本企業が進出し、その半数が自動車関連のメーカーです。

このうち、武漢に合弁会社の本社を置く日産自動車は、現地に駐在している社員とその家族について、一部を除いて帰国させることを決めました。

武漢に工場を持つホンダも、工場の責任者など一部の社員を除いて社員とその家族、およそ30人を帰国させる方針です。

このほか、大手半導体製造装置メーカーの東京エレクトロンは、社員やその家族など、およそ30人について、流通大手のイオンもグループの日本人社員12人のうち、現地の総合スーパー5店舗の営業に必要な社員以外は、帰国させる方針を決めています。

中国では今、春節の大型連休中で多くの企業や工場が休みとなっていますが、企業の間では連休後に営業や操業の再開が予定どおりできるかどうかが焦点となっています。

武漢に営業拠点を持つ大手電子部品メーカーの村田製作所は、来月3日に再開を予定していましたが、感染拡大による影響の長期化が懸念されるとして、延期する見通しとなりました。

また、ホンダは武漢の工場の連休後の操業再開について、今週中に判断する方針です。

さらに、感染拡大を受けて、上海市当局が27日市内の多くの企業に対し、春節に合わせた連休を延長し、来月9日以前に企業活動を再開しないよう通知を出したと発表したことで、進出する日本企業は情報収集を急いでいます。
新型のコロナウイルスの感染が拡大していることを受けて、大型温浴施設を展開している極楽湯ホールディングスは、中国で運営している8店舗すべてを臨時休業としました。

極楽湯ホールディングスは、中国では武漢のほか、上海などにフランチャイズを含めて8店舗の大型温浴施設を展開しています。

発表によりますと、このうち武漢の店舗は今月23日から臨時に休業していますが、このほかの中国国内の店舗も26日までにすべて臨時休業としました。いずれの店舗も営業再開の日程は未定だとしています。

会社は、すべての店舗の休業に踏み切った理由として、中国ではほとんどの国民が外出を控える厳戒態勢が敷かれていて、来店が見込める状況ではなく、従業員の安全も考慮したと説明しています。